陸 ページ7
何か大きな、暖かさに包まれていた。
ふと目を覚ませば、耳を垂らし眠りに就くとわこの姿があった。
薄暗くてよく見えないがどうやらここは私の部屋の様だ。
ふさふさのとわこの尻尾が私の身体に巻きつき暖かさをくれた。
まだはっきりしない意識の中、目の前に見える耳のついた男にほんの少し瞼が上がる。
眼鏡を掛けたまま眠っている様で、何だか少し痛そうだと眼鏡を外し近くのテーブルに置いた。
「とわこ…ありがとう、」
「…A、さん…?」
色々な思いの中たった五文字浮かんだその言葉を彼に小さく呟くと、青みがかった黒の瞳がこちらを見つめた。
私の名前を吐息と共に呟くと、虚ろな瞳が瞬きをしじっと見つめてきた。
眼鏡が無く見えないのか、目を細めのそりと近づくとわこの額が私の額に触れる。
さっきよりも身近に感じる暖かさと吐息にとくりと心の奥が震えた。
「起こしちゃってごめんね、」
「…早く、寝ましょう?」
「とわこ…、」
私の言葉なんてまるで聞いてない様に暖かな腕に抱き寄せられ、とわこの胸元に引き寄せられる。
彼の胸元でくぐもった声を出せば、Aさんとまた小さく呟かれ腕の力が強められた。
…彼なりの慰めなのだろうか。
きっと泣いたのだろう、何故か涙の跡を撫でられた感触がある。
思えばその辺から記憶が曖昧だ。
今日は甘えよう。
彼の胸元に擦り寄り、もう一度夢の世界へ沈んでいった。
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生雀 - 完結お疲れ様です。 わが家シリーズ続けて一気読みさせて頂きました！w 元々は、キヨ猫目当てで読んだのに、今は個人的にとわこさんのこのお話が一番好きやな、と思います！ とわこさん=狐というのが合いすぎて驚きましたw (2015年8月2日 3時) (
レス) id: d0010b6b44 (このIDを非表示/違反報告)
契(プロフ) - お疲れ様でした！泣いちゃいましたよおおおおおお(´；Д；｀) (2015年5月21日 18時) (レス) id: f9349251a1 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 完結おめでとう御座います!!!! とわぽんがイケメン過ぎて辛い……… 次回作も楽しみにしてます!! (2015年1月12日 13時) (レス) id: 426cfae2bb (このIDを非表示/違反報告)
鬼村(プロフ) - お疲れ様でした！今回も楽しませていただきました、ありがとうございます。節分…この口調…もしかすると次回は…。なんて勝手な想像をしつつ、次回を楽しみに待っています！ (2015年1月12日 11時) (レス) id: ef2cdf2804 (このIDを非表示/違反報告)
つなかん@新永久兎(プロフ) - 更新お疲れ様でした!!!今回も素晴らしかったです!!次回は一体誰でしょうかな…。楽しみにしてます!! (2015年1月12日 10時) (レス) id: 02afc108b9 (このIDを非表示/違反報告)
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