冠前絶後 (ページ28)

今日:19 hit、昨日:15 hit、合計:6,902 hit

│ ページ28

☓☓☓

「…あ、えっと自己紹介、した方が宜しいですよね…?…畏まりました…こほん、Ephemeral Idol紅碧色担当の雲雀時雨(ひばりしう)と申します。皆様どうぞ宜しくお願い致します……ふわぁ…申し訳ないです、少し眠、く、て……」

「…すみません、昨日のテスト勉強の無理が祟りまして…何時もの5割増し程で眠たいです…若し眠ってしまっていたら起こして頂けると幸いですが、機嫌が悪そうでしたら放置でも構いません。其れでは…」

「もう少し、もう少しだけ寝かせて頂けると…あ、勉強の御質問ですか、畏まりました…高校3年生の分野まででしたら完璧にお答えできるかと…ですが私自身、睡魔に勝てるかどうかかなり怪しいので…ぇ、もう一度伺っても…?『駅前のお店のマカロンを買ってきてあげる』ですか…!?分かりました、其れでは張り切ってお教えしようと思います…!」

「ぁ、え、髪、ですか…?『さらさら』って…そうでしょうか…?手入れも何もしておりませんので、元の髪質だと思われますが…あ、はい、ドライヤーもヘアアイロンもおまけに化粧水も施しておりません…見かねた専属侍女の御厨さんが時々髪を乾かして下さりますが…暖かくてとても心地よくて、気が付くと何時も夢の中です」

「髪、乾かして下さるんですか…わ、有難う御座います。唯、私の髪は無駄に長いので少々お手間を頂戴致しますが、其れでも宜しいでしょうか…?ぁ、良かったです、其れではお手柔らかにどうぞ宜しくお願い致します…『ラプンツェルみたい』ですか…よく云われます。彼女は20m程ありますがね…因みにあの話の元ネタはヨーロッパ民話の一つである『ノヂシャ』を元にしているんですよ…」

「…〇〇さんの触り方、とても優しくてついつい身を委ねてしまいそうです…端的に言うと此の儘眠りに落ちてしまいます…安心しますね、将来美容師さんとか向いているのでは…?出店の資金は私の実家から捻出させて頂きますので…ふふ、宜しければ私(わたくし)の専属スタイリスト様になるのも良いかも知れませんね…」

「『メイクをしたい』…?私に、ですか…?いや、多分もっと良い素材の方は沢山いらっしゃると思うのですが…例えば〇〇さんとか〇〇ちゃんとか…私なんて手入れも何もしていない人間ですし、擽ったがりですぐ動いてしまいますし…何より途中で眠ってしまうかも知れませんので余りお薦めは出来ませんが…『其れでも良い』…ですか、何とも物好きな方ですね…畏まりました、煮るなり焼くなりお好きに弄り倒して頂いて構いませんよ」

☓☓☓