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_2か月前_
もう限界だった。哲汰のことが好きで好きでどうしようもなかった。一緒にいるだけで幸せだったのがどんどん欲張りになって、すぐ妬いてしまう自分に嫌気がさす。
哲「永玖ちゃ〜ん!今日もかわいいね〜!ほぉらえいくちゃ〜ん」
ただいつもの光景なのに、それさえも見るのがつらくて部屋から逃げ出した。
自分への嫌悪感と哲汰への気持ちが膨らんで涙になってあふれてきた。この気持ちを哲汰に伝えてしまったらもう終わりだ。
これからどうすればいいのか。諦めたくない気持ちと諦めた方が楽になるという気持ちが葛藤していて余計に涙がこぼれる。
早く泣き止んで戻らないと。休憩終わっちゃう。せっかく今日みんなに振り入れするの楽しみだったのに。なのに涙が止まらない。
哲「颯斗〜?ここで何して、」
「どうした?なんで泣いてるの?」
「なんかあった?」
颯「ごめ、、俺、」
「、、哲汰」
哲「ん?ゆっくりでいいよ」
「まだみんな休憩したいだろうし。ちゃんと聞くから」
いつもあんなにふざけてるのにこういう時は落ち着いてて、やさしくて、そういうところも大好きで。そうやってやさしく抱きしめてくれるとこも好き。
俺に期待させないでよ。
嗚咽交じりの声が恥ずかしくて顔もどんどん赤くなる。
颯「俺、哲汰が好きだよ」
哲「俺も颯斗好きだよ?」
颯「違くて、俺は、、哲汰とは違う好き、だから」
「ごめん」
「今、俺めちゃくちゃ、」
「見ないで、」
気持ちを伝えたらもう後には戻れなくて、たった数秒の沈黙が長く感じて、怖くて顔も見れなかった。なのに、涙は出るけど言葉にできて少し心が軽くなった気がした。
哲「そっか。ごめん、ずっと気づいてあげられなかった」
「いいよ。付き合おう。」
自分の耳を疑った。純粋にうれしかった。俺の気持ちをちゃんと受け止めてくれて。ひかないでいてくれて。
哲「ちょっと風当たりにコンビニ行こ。目も冷やさなきゃ」
颯「ごめん、ありがとう」
俺たちはコンビニで目を冷やすためのアイスとメンバーの分の飲み物を買って練習室に戻った。
戻るころにはある程度赤みは消えていてみんなに疑われることなく振り入れを始めた。
でも卑怯だったという気持ちがずっと離れなかった。
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作者名:雪柳 | 作成日時:2024年2月27日 14時