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颯斗side
永玖にすべて打ち上げてしまっていいのだろうか。信用していないわけじゃない。ただ、まだ言う勇気が出てないだけ。哲汰と俺だけの秘密。別れても有効なのだろうか。
永「どうした?」
颯「永玖は好きな人いる?」
永「…いるよ」
颯「そっか。俺実はね、二か月前から付き合ってる人いて。もう別れたんだけどね」
「でも、全然。あっちは友達として好きでいてくれたのに、俺、告白したとき思いっきり泣いちゃって。」
笑顔が引きつってる。永玖にもそれがわかってるのか悲しげな表情。頑張って笑顔を作ってもすぐ元に戻ってしまう。
颯「それで付き合うようになって。はじめはどんどん俺のこと好きになってくれたらいいなって感じだったのに、どんどん欲とか出てくるし」
「重かったのかな。やっぱ恋人としてとかキモイのかな。」
さっきふたをしたはずの涙腺が緩んでくる。泣いちゃダメだってわかってても止まらない。
颯「今日ね。自信なさげに俺なんかのどこがすきなの?って。大好きだから自分のことでも俺なんかとか言って欲しくなかった。なんか話し出したら止まらなくて気持ち全部ぶつけちゃったんだよね」
「引いたのかな。そのあと、別れようって。」
震える声を振り絞って何とか聞こえるように。せっかく話を聞いてもらえてるのに、聞き取れないなら意味ないでしょ。できるだけ困らせたくない。永玖は大事なメンバーであり、友達だから。
そのあとは無言の空気が続いた。いや、ただ少しだけ長く感じただけかもしれない。今日一日でいろいろなことがあって疲弊していたんだ。気づいたら深く眠りに落ちてしまっていた。
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作者名:雪柳 | 作成日時:2024年2月27日 14時