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お互いにほとんど食べ終え、ポテトやナゲットをただ無言で食べ続けた。
なんでご飯食べてるときは静かなのに、普段はあんなにうるさいのかとぼーっと考えながら哲汰がナゲットを頬張っているのをじっと眺めてた。
哲「ん?なに?」
颯「いや、べつに〜?」
哲「あ、ナゲット一個食う?」
颯「もらう。あ」
我ながら何をしてるんだろう。食べさせてもらおうだなんて、欲張りめ。期待していないと言ったらウソだけど。だからと言って軽率だったか。
ちょっと驚いちゃってるじゃん。驚いた顔もかわいいんだけど。いつもうざがってるせいであまり耐性ないから余計に恥ずかしいし。
哲「んふふ、颯斗〜。ほら、あーん」
「おいちい?」
驚いてたのになんでそんなにノリノリなの。いつものナゲットよりも100倍うまく感じる。笑顔でそんなことされたらめちゃくちゃおいしいに決まってるし。
颯「かわいい」
哲「え、」
(着信音)
颯「…あ、ごめん、ふみから電話来たから少し出てくるわ」
哲「…わかった」
危なかった。俺、さっきなんて言った?あんなこと言うつもりじゃなかったのに。これはやってしまった感。
楓〔あ、もしもーし。はやちん?〕
〔今日家とめてくんない?〕
颯「俺、これやったわ、、」
楓〔え、何、あ〜。とりあえず今日そっち着いたら話聞くから泊めてね〕
〔どうせ哲汰くん絡みでしょ?〕
〔じゃ、またね〕
なんも話してないのに切られた。唯一俺たちの関係を知っているとはいえ、するどい。今、ライブ近くて忙しいのに、少し申し訳なく感じる。
たまには弟に甘えてもいいか。
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作者名:雪柳 | 作成日時:2024年2月27日 14時