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少しづつ落ち着きを取り戻して、帰宅する。途中で永玖がコンビニによりたいというので外で待ってたら、目を冷やすようにアイスを買って来てくれた。
颯「ごめん、ありがと。」
何でこんなに泣いてしまったんだと反省する。結果、永玖に気を使わせてしまった。
永「いいよ、別に。あ、久しぶりに高尾の歌うたおうか?颯斗の大好きな高尾の歌。この前はロックだったから今回バラードにする?」
颯「いいって」
つい、笑顔になる。そういえばあのインスタライブ以来聴いてないな。俺が笑ったことで少し安心したみたいで永玖も笑っている。
永「ねえ、もっと頼っていいんだよ?一人で抱え込まないで。今まではまだ俺たち若かったし、頼りなかったかもだけど、今はもうちゃんと大人になったよ。話くらいなら俺でも聞けるし。」
「メンバーの誰でもいいから。爆発する前に頼って?あまりため込むとだめだよ。みんなには笑顔でいてほしいから。少なくとも俺は颯斗が笑顔じゃないと笑顔になれない」
颯「ありがと」
少し感動してさっきとは違う涙が出る。せっかく目を冷やしているのに意味がなくなってしまう。今度は慌てている永玖が視界に入って面白くて笑みがこぼれる。
いいメンバーに恵まれた。このメンバーでよかった。そう心から思った。
俺もメンバーのみんなが笑顔でいてほしいし、笑顔を見てるだけで元気になれる。そのために俺がもっと頑張って、グループを盛り上げていかないといけない。
そんなことを考えているうちに家に着く。部屋に入って、いつもの哲汰との日常がフラッシュバックする。今日一日いろいろなことがあって懐かしく感じると同時に哲汰のいないこの空間が冷たく感じた。
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作者名:雪柳 | 作成日時:2024年2月27日 14時