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颯斗side
誰もいない公園で泣いていると後ろからだれか近づいてくるような足音が聞こえて、涙を止めようと必死になった。なのになみだが止まらなくて聞きなじみのある声が聞こえた。
永「はやとー?」
永玖だ。冷えるからと、上着をかけて背中をさすってくれる。それだけで安心感がすごくて、暖かさが冷えた体に浸透していくみたい。
永「どしたん?目腫れちゃうよ?」
「明日も撮影だし、風邪ひくからかえろう?」
このやさしさが今はすごい心地よくて、さっきまでの寂しさが少しずつ埋まっていくような感じがする。
颯「俺、、酷いこと、した」
「ずっと、甘え続けて」
「もう、俺のことなんて、きらいに、 、なっちゃったかも」
「撮影なのはわかってるけど、、行かないとだめって、わかってるけど」
「行きたくない。」
「えいく、どうしよう」
今まで、リーダーだからしっかりしなくちゃいけないと最年少の永玖には特に弱さをみせちゃだめだと思ってたのに心強くて、同い年でも弟みたいに思ってた永久がちゃんと大人なんだと初めて意識した。
永「一回落ち着いて。家まで送るから、中で話聞かせてよ」
「目、冷やしながら。ゆっくりでいいから」
抱きしめて、泣き止むまで待ってくれて、申し訳ないと感じつつうれしかった。なのに、ずっと哲汰が頭から離れなくて、告白したときに抱きしめてくれたあの感覚を思い出して、また切なさに襲われた。
こんなに慰めてもらって、励ましてもらえてるのに、物足りないなんて俺は最低なのかもしれない。
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作者名:雪柳 | 作成日時:2024年2月27日 14時