東海地方で恋をした② (ページ12)

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side：A

最近、全然自分の不調さを隠せてない。
としくんに感づかれてるなぁ、顔に出てるのかもしれない。気を付けないと…

今日も撮影があって、5分前にはてっちゃんの家に着かんといけないから、いつも通りの時間に家を出る。今日はコンビニに寄ってミルクティーを買って、それからてっちゃん家に向かう、ところだった。

コンビニから出ると見知らぬ顔の男の人に声をかけられた。

『あの、すみません。Aちゃんですか？』

視聴者さんかな

「あ、そうですよ～」

『あぁ、良かった！やっぱりいつも寄ってるコンビニってここだったんだね』

「…え？」

待って何この人、何言ってるの？

「あの…ちょっと何言ってるのかわかんないんですけど…」

『Aちゃんがいつも何してるのか見てるんだよ？いつも、DM送ってるでしょ？僕、Aちゃんの事愛してるからさ、Aちゃんも動画でいつも僕に目線送ってくれてるじゃないか！一緒に東京へ行って、僕と暮らそう？』

「いや、あの、何言ってるのか分かんないです。私岡崎で暮らしてますし、東京で暮らす予定なんてないです」

心臓がバクバクして、冷や汗が伝う
怖い

『そんな恥ずかしがらなくていいからさ、ね？これでも吸って』

そう言ってハンカチを口に押し付けてきて、急激な眠気が襲ってきた。

あぁ、今日も撮影があるのにな
みんなを待たせちゃうな
このままじゃ、5分前に間に合わんじゃん

なんて、そんなこと考えながら意識を手放した。