三十四話 ページ38
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『海、さん』
「Aちゃんのような子に愛されて、優翔は幸せだっただろうね」
悲しさを含んだ笑顔に、胸が締め付けられた。
彼の目線の先には、優翔が私にプレゼントしようとしてくれていた指輪があった。
身に付けるべきかわからず、ずっとそのまま置いてしまっている。
「もしかしてAちゃん、まだ自分のせいで優翔が亡くなったと思っているの？」
何も答えられなかった。図星だ。だって、彼が死んだのはどう考えたって私のせいだから。
「そんなことないよ、捉え方の問題さ」
海さんは優しい笑みを浮かべながら言った。
「あの日、僕たちも海斗も二人を気遣って家を空けていた。でも、家を空けずにいたなら、優翔の死を防げたかもしれない」
確かに、捉え方次第でどうにでもなる。でも、そんな言葉を聞いてもやっぱり優翔の死は私のせいなんだ、と思ってしまう。
この二人は、私の両親が優翔を亡き者にしたことを知らない。何て言ったって一流の殺し屋だ。そう簡単にバレないだろうし、もし何かあったら根回しをする、ただそれだけで終わる話し。
海斗にはつい私がぽろっと言ってしまったけど、海斗と私、そして、彼ら、梵天の幹部と首領しか知らないことだ。
何で、あのとき私は、優翔の死のことまで話してしまったんだろう。
答えは簡単。辛かったんだ。最愛の人が亡くなるなんて、辛いじゃ収まりきらない感情を、何処にも捨てる宛はない。優翔の双子の弟である海斗にも、そう軽々と話せる話題じゃない。
甘えてしまったんだろう、彼らの優しさに。
思考がどんどんマイナスな方向に向かっていると、家のチャイムがなった。
『…来たみたいですね』
モニターで相手を確認して門を空ける。
『…あれ』
おかしいな、なんか派手な髪色の人たちもいた気がする。あっれれぇ？……妙だな…。
あれは私の幻覚かもしれない。うん、きっとそうだ。
「お前、なんだよ今すぐ来いって…」
海斗は部屋を見渡すと、顔を曇らせた。
「…父さん、母さん」
海斗は、実の親である海さんたちも、自分の友達のはずの人達のことも、心の奥底では嫌っていた。
何故なら、みんな、海斗を見ないから。
海斗をそばに置いておくことで、優翔を感じているのだ。でも、海斗は必死に一人二人役を演じ続けた。
本当は、優翔の死を一番悔やんでいるのは、海斗なんだ。
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ミルクティー - 泣いていたことを分かってたのかって夢主が海斗に電話をかけるシーン「優翔」ではなく「海斗」じゃないですか？ (4月5日 11時) (
レス) @page37 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» すいません…、作品名教えてもらっていいですか、？(( (8月10日 2時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» たくさんのコメントありがとうございます！！舞香さんの作品、覗かせてもらいますね！！！ (8月10日 2時) (レス) @page21 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
舞香 - またまたコメントさせていただきますっ！！今回の話も面白いですねっ！私も小説書いてるんですけど、林檎飴玉さんみたいにうまく書けないです！！もしアドバイスとかあればお願いします！今回も神作品ありがとうございます！ (8月10日 0時) (レス) @page21 id: d458a1be93 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» ありがとうございます！！楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります☆ (8月9日 17時) (レス) @page20 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎飴玉 | 作成日時：2023年8月1日 0時
