三十二話 ページ36
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灰谷竜胆side
マイキーに聞かれたことに対し、よく分からない。と答える田中。
何を言ってるんだろう、こいつは。身内、ましては自分の片割れを亡くしたっつーのに悲しいか分かんない？
チラリと兄ちゃんの方を向く。もし、兄ちゃんが死んだら。悲しいじゃ表せねぇだろうな。すぐさま殺した奴を殺しに行く。
「勿論、悲しいですよ。悲しいけど、
未だに、実感がわかないんです」
鏡を見ながら田中は言った。実感がわかないと。受け入れたくねぇんだろうな、とは思う。でもその片割れとやらが死んで何年経った？5年は経ってんだろ。
「鏡を見れば、優翔は確かにここにいるんです」
車の中で見た写真の中の田中の片割れを思い出す。
顔をくしゃりとさせて笑う姿も、髪色も、確かにそっくりだった。その人物が"田中海斗"だと言われても、納得することが出きる程。
「鏡に向かって話しかければ、そこにいるのは優翔だって思い込むことが出来た。優翔と話している気分にもなれた。その行為に、何の意味もないことは分かってる。
でも、不意に鏡を見たら、優翔がいるって思うことが未だにある。」
少し離れた場所にある鏡に映るのは、田中優翔に似た顔をもつ、田中海斗の姿。自分にも兄がいるからだろうか。田中海斗にとても同情した。
「鏡を見れば、優翔がいる。だから、泣きそうになったことはあっても、実際に泣くことはなかった。
優翔は、生きてるんだって、俺のそばにいるんだって。必死に思い込んでた」
田中優翔が、妬ましい。Aちゃんに心の底から愛され、周りにもこれほどにも自分を想ってくれている人がいる。
後者はぶっちゃけどうでもいい。俺が、俺ら幹部やマイキーが気にいないのは前者だ。
白鳥Aに愛される。
それがどんなに羨ましいことか。無意識に拳に力を入れたとき
プルルル
電話の着信音が響いた。
スマホの持ち主は田中だったらしい。興味がなさそうにスマホに手を伸ばす。
でも表示された名前を見ると直ぐに電話に出た。
「どうした？何かあったか？」
部屋にいる全員が電話相手が誰だか分かった。
「はぁ？今すぐ？って、おい」
電話は終わったらしく、田中は長いため息をついた。
「ちょっと出てきます。呼び出されたんで」
「オイ、ちょっと待て」
……幹部(マイキー含む)全員で行ったのは言うまでもない
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ミルクティー - 泣いていたことを分かってたのかって夢主が海斗に電話をかけるシーン「優翔」ではなく「海斗」じゃないですか？ (4月5日 11時) (
レス) @page37 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» すいません…、作品名教えてもらっていいですか、？(( (8月10日 2時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» たくさんのコメントありがとうございます！！舞香さんの作品、覗かせてもらいますね！！！ (8月10日 2時) (レス) @page21 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
舞香 - またまたコメントさせていただきますっ！！今回の話も面白いですねっ！私も小説書いてるんですけど、林檎飴玉さんみたいにうまく書けないです！！もしアドバイスとかあればお願いします！今回も神作品ありがとうございます！ (8月10日 0時) (レス) @page21 id: d458a1be93 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» ありがとうございます！！楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります☆ (8月9日 17時) (レス) @page20 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎飴玉 | 作成日時：2023年8月1日 0時
