三十話 ページ34
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海斗side
周りの奴らは、まともに俺を見てくれなかった。
でも、それをいいことに、俺は周りの奴らが優翔を忘れないように、時々優翔のような発言をしたり行動をしたりして、優翔を感じさせていた。
皆、優翔を見ていた。俺のようで俺じゃない、俺の片割れの兄を。
でも、たった一人だけ、俺を見てくれた人がいた。
それはAだった。Aは、俺を俺として見ていただろう。そう確信していた。
一度、聞いたことがある。
お前は俺を通して優翔を見ねぇの？と。考える素振りを見せずに、あいつは答えた。海斗は海斗じゃん、って。
その言葉に、どれだけ救われたか。両親でさえ俺のことを見てくれなかった。でも、Aだけは違った。それが嬉しかった。
ー『海斗は海斗だし、優翔は優翔。優翔が生きてたときも、死んじゃった今も、私は一度も海斗を通して優翔を見たことはないよ』
その時からだろう。俺がAを本気で好きになったのは。
あの発言どうり、Aは俺を見て悲しそうな顔も、懐かしそうな顔もしなかった。
もしかしたら、優翔に似ている俺を好きになるかもしれない。なんて淡い期待があったけど、そんな素振りは一切ないし、そもそもそんな形で好きになって貰ってもあまり嬉しくはない。
一度、考えたことがあった。
俺が、優翔みたいに振る舞えば、優翔みたいに笑って、A。と優しく言ったなら、あいつは俺を見てくれるのだろうか。あの澄んだ、優しい青い瞳で。
いや、きっと無理だろう。あいつはきっと俺だと見抜く。
俺と優翔が並んでいたら、一瞬で優翔を見抜くだろう。
あいつは、俺と優翔を見抜くんじゃなくて、優翔を見抜く。そして自然と、俺のことも見抜く。
ある記憶を思い出す。
ー「どっちだ」
Aの目を、後ろから俺が覆って、優翔が、どっちだ、何て言って。
Aはすぐ答えた。
ー『私の目を覆ってるのが海斗で、言ってるのが優翔！』
あいつはきっと、優翔が好きだから、俺と優翔を容易く見抜けるんだろう。
俺がAに恋をした理由は、あの言葉からだけど、もしかしたら、本当にもしかしたら。
俺と優翔を一瞬で見抜くほど、そこまで優翔を深く想うAに、恋をしたのかもしれない。
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ミルクティー - 泣いていたことを分かってたのかって夢主が海斗に電話をかけるシーン「優翔」ではなく「海斗」じゃないですか？ (4月5日 11時) (
レス) @page37 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» すいません…、作品名教えてもらっていいですか、？(( (8月10日 2時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» たくさんのコメントありがとうございます！！舞香さんの作品、覗かせてもらいますね！！！ (8月10日 2時) (レス) @page21 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
舞香 - またまたコメントさせていただきますっ！！今回の話も面白いですねっ！私も小説書いてるんですけど、林檎飴玉さんみたいにうまく書けないです！！もしアドバイスとかあればお願いします！今回も神作品ありがとうございます！ (8月10日 0時) (レス) @page21 id: d458a1be93 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» ありがとうございます！！楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります☆ (8月9日 17時) (レス) @page20 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎飴玉 | 作成日時：2023年8月1日 0時
