二十七話 ページ31
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海斗side
写真に写る、バカみたいに笑うAと俺そっくりの顔を持つ、俺の双子の兄、田中
もちろん俺だって優翔の死を受け入れたくなかったが、前に進まなければ行けないという事実から、あいつを思い出させる物は手当たり次第捨てた。
必死に流れそうな涙を耐えながら、ごみ袋に全てを突っ込んだ。スマホにある写真も、全部消した。
でも、この写真だけは、どうしても捨てることができなかった。
俺は写真を撮ることが好きだった。Aと優翔の写真を撮ることが好きだった。気づいたら、フォルダの中は二人の写真でいっぱいになっていた。
その中でも、この写真は特にお気に入りだった。
俺と優翔とAで服を買いに来たっていうのに、気づけば座って面白かったことを話していた。俺がそのことを指摘して、二人は今気づいたというように笑った。
あまり気にしてないような二人に、ちゃんとしろよ、と不満をこぼした。
二人はまた笑って。俺もそれにつられて笑った。
馬鹿馬鹿しい事かもしれないけど、俺にとってはあの時間が幸せだった。これからも、それが続くんだと思っていた。
Aが優翔に惹かれているのは知っていた。優翔もAと同じ気持ちだということも知っていた。
少なからずAに好意を向けていた俺は、少し複雑な気持ちだった。
でも、二人が幸せならそれでよかった。世界で一番大切な二人が、幸せにさえなってくれれば。それだけで俺は嬉しかったんだ。
あの日、優翔が亡き者になった日、優翔はAに結婚を前提に付き合ってほしい、とプロポーズするつもりだったらしい。
俺はその事を前から知っていた。最初聞いたときは結婚を前提にって、と笑った。これで二人も結ばれるのか。
微かな胸の痛みを感じたけど、気づかないフリをした。
優翔はAを家に呼び出したらしいから、二人の邪魔をしないために、いつもよりも遅く帰ってきた。
そこからのことは覚えていない。頭が真っ白になった。気づいたら腕の中には泣きじゃくるAがいて、あれは自分の幻覚じゃなく、現実だということを突きつけられた。
ー「これ、あいつがお前に用意してた指輪。ほんとに気が早いよな」
そういって優翔がAに用意していた指輪を手渡したときのAは、一生忘れることはないだろう。
悲しみと絶望に満ちた、目に光のないAの顔を＿。
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ミルクティー - 泣いていたことを分かってたのかって夢主が海斗に電話をかけるシーン「優翔」ではなく「海斗」じゃないですか？ (4月5日 11時) (
レス) @page37 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» すいません…、作品名教えてもらっていいですか、？(( (8月10日 2時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» たくさんのコメントありがとうございます！！舞香さんの作品、覗かせてもらいますね！！！ (8月10日 2時) (レス) @page21 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
舞香 - またまたコメントさせていただきますっ！！今回の話も面白いですねっ！私も小説書いてるんですけど、林檎飴玉さんみたいにうまく書けないです！！もしアドバイスとかあればお願いします！今回も神作品ありがとうございます！ (8月10日 0時) (レス) @page21 id: d458a1be93 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» ありがとうございます！！楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります☆ (8月9日 17時) (レス) @page20 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎飴玉 | 作成日時：2023年8月1日 0時
