二十三話 ページ27
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「ハッキング…？」
『まぁ、はい』
「…何でも出来るな」
鶴蝶さんに感心(?)された。喜んでいいのかな、これは。
「…じゃあ」
『もう全部話しちゃいますね。皆さんが疑問に思ってるであろうこと』
質問しかけたココさんの言葉を過る。
『まず、何で私が殺し屋をやらずにハッキングをしているのか』
全てを知っている海斗は、そのことを思い出すように目を細めた。
ーーー
当日、好きな人がいた。初恋だった。その人の家に、遊びに行っただけだった。
『…は？なに、これ』
インターホンを鳴らしても出ないから何かあったのかと思い、ドアを開けてみると、鍵は閉まっていなかった。ドアを開けた瞬間、鉄のような匂いが漂った。
目の先には、真っ赤に染まって動かなくなった、大好きな人。
そして、殺し屋である私の親。
その場の状況を察するには、十分すぎるものだった。
「A…？何でこんなところに…」
『それはこっちの台詞…！なに、何で…』
口から言葉がでない。頭が回らない。視界が滲む。呼吸ができない。涙が頬を濡らす。
「A、A！落ち着け、しんこきゅ」
『触らないで！！』
親が目を見開く。でもそんなの気にしている暇はない。
『ねぇ、あんた達がやったんでしょ？あんた達が、殺したんでしょ？ねぇ、答えてよ…』
母は目を逸らし、父は俯く。憎しみや、怒り、そんな感情がぐるぐる渦巻く。
「仕方なかったんだ。これは依頼で…」
ー殺してやる。
咄嗟に頭に浮かんだ言葉はそれだった。私から大切な人を奪ったくせに、何が仕方なかった、だ。言い逃れをするつもりなのか。
私が、彼が、何をしたと言うのか。何故殺されなければいけないのか。
気づけば床に落ちていたナイフを握り、首に狙いを定め、ナイフを突き立てた。
ーー外は、大雨だった。
雷も鳴っている。家に帰る気になんてなれる訳がなかった。路地裏で、蹲る。
大切な人を失った悲しみを、どう埋めればいいんだろう。これからどうすればいいのだろう。
『どうしたらいいの…』
もう、このまま消えてしまおうか。彼がいない世界に、一体何の価値があるんだろう。
「A！！！」
『海、斗』
こんなにも安心したのは初めてだった。それからのことはよく覚えていない。
ただ、海斗の腕の中で声が枯れるまで泣いたことは、今でも鮮明に覚えている。
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ミルクティー - 泣いていたことを分かってたのかって夢主が海斗に電話をかけるシーン「優翔」ではなく「海斗」じゃないですか？ (4月5日 11時) (
レス) @page37 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» すいません…、作品名教えてもらっていいですか、？(( (8月10日 2時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» たくさんのコメントありがとうございます！！舞香さんの作品、覗かせてもらいますね！！！ (8月10日 2時) (レス) @page21 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
舞香 - またまたコメントさせていただきますっ！！今回の話も面白いですねっ！私も小説書いてるんですけど、林檎飴玉さんみたいにうまく書けないです！！もしアドバイスとかあればお願いします！今回も神作品ありがとうございます！ (8月10日 0時) (レス) @page21 id: d458a1be93 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴玉 - 舞香さん» ありがとうございます！！楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります☆ (8月9日 17時) (レス) @page20 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎飴玉 | 作成日時：2023年8月1日 0時
