第五十三話 改めまして ページ16
今起こったことをありのまま話す。
藤色の人が受け止めてくれた。
……いや、あながち間違ってはいないだろう。
現にまだ受け止められている状態だ。
ここで疑問を言うのもなんだがあえて言おう。
君、私の事敵視してなかったかい？
「……ありがとう」
「……俺っちは認めた訳じゃねぇ」
わあ口悪い。
然し、短刀は皆こうではないというのはよくわかった。
五虎退の様に気弱な弟キャラって訳じゃあない。この様に短刀が短刀じゃない子だって居る。
……いや、この子短刀か？
ゆっくりと下ろしてもらい、腕の中に居た虎の無事を確認して此方に駆け寄ってきた五虎退に渡す。
「五虎退、虎だよ。見つかってよかったね。」
「主、それより言うことないか？」
「ははは、鶴さん顔がブラックだよ怖いなぁ」
「弥勒」
「スイマセンデシタ」
低い声で字名を呼ばれたら謝るしかない。
それ以外に思いつかない。
だいたいだ、鶴が怒るなんて怖いに決まってるだろ。真っ白な人がいきなり黒い顔するんだぞ、ブラックだぞ。怖いわ。
「…鶴丸の旦那」
「俺は五虎退と同じ考えだが、戻ろうとは思ってはいない。」
「……」
「まさか薬研まで居るとは思わなかったぜ。俺含め
「鶴丸の旦那や五虎退の他に居るのか？」
「ああ、加州がな。今は弥勒にべったり……だが今は大人しく留守番している。」
「この時間帯だと昼ドラを見ているね。」
「よく昼時だって分かったな？」
「お腹がすきました」
くぎゅぅ〜、と小さな音を立てた私のお腹。
どうやら私のお腹は欲に素直な所があるらしい。私も欲に素直な所があるので悪く言えない。いいじゃないか、お腹すいたんだ。
何かを食べたい。お腹がすいた。
「主、心の声がダダ漏れだぞ」
「誰だ私の口に油差したの。」
「たぶん、弥勒様のよだれのせいじゃないですか？」
「……」
五虎退…、君ってやつは。
鶴に似た、絶対鶴に似たぞ。
小さい子にそんなこと言われたら心が傷ついてしまう。現に傷ついた。-1は減った。
これ以上言われると立ち直れなくなるから何も言わないで欲しい…
「欲に正直な所は人間の特権か」
「藤色の君は私に何か恨みでもあるのかな？」
私のハートはガラスだ。粉々に砕け散った。
＿＿＿＿
審神者の皆様、お知らせ見ました？
僕はお知らせ見た瞬間鍛刀に走って札を使ったら結果的に収穫なしでしたちくせう←
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