刀剣男士に誘拐されました。

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『ここで何があったんですか』


娘さんは一体何をしたんだろう



「…。」

私の問いに答えたくないのか、俯く2人


『お願いします…教えてください』

聞かないことには救えない

私は頭を下げて2人に頼み込んだ

「…小夜くん…だいじょうぶですか？」

「うん…兄様のためだから」

私の思いが届いたのか
2人は話し始めた

「あのひとは、ぼくたちを
かたなとしてしかあつかってくれませんでした」

「確かに僕たちは刀…でも今は"物"じゃない
痛みも感じるし、疲れも溜まる」

そっか…今は人の身体を得ているから…

「あの人は常に新しい刀を欲しがっていた…
毎日鍛刀に多くの資材を使っていたせいで
手入れをすることなんて出来なかった」

「そのせいで、からだがぼろぼろになっても
なおしてもらえなかったですし…
どんなにつかれていても
やすませてもらえませんでした」


今剣さんの目には涙が浮かんでいる

「僕達短刀は弱いから
出陣させて貰えなかったけど…
強い兄様達は沢山出陣させられた」


弱い…か

「ぼくたちはあのひとにとって
いらないそんざいだったんですよ」


いらない存在…それって

あの言葉と似ている



《あの人は、僕達みたいな
扱いにくい刀には興味無かったんだ》


清光さんの言った

娘さんは扱いにくい刀には
"興味が無い"という発言


この子達の話を聞くと
娘さんは強い刀にしか興味がなかったらしい

そして、物凄く欲しがりで
刀集めに没頭していた…と

「兄様は今もボロボロで傷ついている
…心も体も」


自分の欲のためならば
この子達はどうでも良い…

そんな感じがした



「小夜くんのおにいさんを
たすけてあげてください
ぼくもがんばりますから」


必死に頭を下げる今剣さん


「僕も頑張る…だからっ…お願い」


それを見た小夜くんも頭を下げる


『…助けますよ
なので頭は上げてください』

私は、2人の頭を撫で
ぽんぽんと肩を叩いた

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