刀剣男士に誘拐されました。

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『お腹空いた…』

今は何時だろうか

誘拐されてから
何も食べていない

「俺達は食べなくても生きていけるけど…」

そっか、君達は霊力さえあればいいんだよね

この子達にとっては、お風呂もご飯も
霊力の次になるものだ

「飢え死にされても困る…」

「台所行ってみます？」

『はい…行きます』

他人の台所に勝手に入ってはいけないと
両親にしつけられてはいたが…
鯰尾さん達も一応許可してくれているし
大丈夫だよね

「内番、ずっとやってなかったから
畑の野菜も枯れちゃったよね…」

「そうだな。馬は俺らで
面倒見ていたが、畑はな…」


当番制みたいな仕事があったのだろうか？

『馬いるんですね』

「はい、馬糞集めは楽しいですよー！」

馬糞って…馬のあれだよね？
それを集めるの楽しいなんて
どうかしてるよ…

「そうそう！馬糞を嫌いなやつに
投げたりもしましたね！」

鯰尾さんには嫌われたくないな

馬糞投げるとか…
神様がそんなことしちゃいけません…！


「兄弟、止まれ」

骨喰さんが突然
鯰尾さんの足を止めた

急に止まったせいで
私は骨喰さんにぶつかってしまった

『すいませんっ』

「問題ない…それより
誰かいるぞ」

何かを察したのか
骨喰さんが警戒する

「…俺達をつけてきたみたいですね」

鯰尾さんが私を隠す




「…。」



緊張感が漂う空気


「出てきたらどうですか？」


鯰尾さんの声が通路に響く


「ははっ…やはり君達は鋭いね」

通路の死角から出てきたのは
背が高めで、眼帯をしている男の人

その人の服は
ボロボロで、少し血で汚れている

鯰尾さん達は綺麗なのに、どうしてこの人は
こんなに汚れているのか…

私は疑問でいっぱいだった

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