いずれ地獄でお会いしましょう【へし切長谷部】

感情 ページ19

歌仙side


「貴様、何を考えてる」

「おや、盗み聞きとは…趣味が悪いね歌仙君」

外から主の声が聞こえ
急いで駆け寄ると

主と燭台切がいた

「趣味が悪い？その言葉、貴様に返す」

「はは…歌仙君は気づいていたか」

笑いながら答える燭台切は
どうも気味が悪い


「ああ、僕は古株だし
皆のことはよく見てるつもりだからな」

「そっか…じゃあ、歌仙君には
消えてもらわないとね？」


消える…

「消えるわけには行かないな」


「…へぇ」


僕が消えたら

誰が主を守るんだ

「貴様らの自由にはさせない」

「その言い方だと、僕が悪者みたいじゃないか」

何を言う…

好意という感情から
主の自由を奪っておいて…

「歌仙君もこっち側の刀剣にならないといいね」

「なっ…貴様…」

一歩ずつこちらに近づいてくる燭台切

「僕知ってるよ？」

僕は一歩も引かず
ただ、燭台切の瞳を見つめる


「歌仙君、主のこと好きだよね」


何も言えなかった


好きな事には変わりない

いつか、こいつらと
同じようになってしまうのではないか

少し怖かった

「図星みたいだね」

僕達にとって
感情をコントロールすることは難しい

目の前にいるこいつは
それを分かって僕に問いかけている


ならば…答える必要は無い

「残念だ、貴様はもっと
骨のあるやつだと思っていたが」

自分をコントロール出来ないなら
燭台切は赤子同然

「何が言いたいの歌仙君」

「さぁね、自身に問いかけてごらん？」


その方が趣深いだろう


「主は僕が守る」



万死に値しようとも


この命がある限り

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