episode60「アラタナ目覚め」 ページ28
何年もそうずっと思っていた私にとうとう再び光が指した⋯
目覚めてすぐ視界に入ったのは緑色の液体とガラス越しに手を当てている男性だった⋯
彼は横に移動して何かを押すと緑の液体は無くなって機械の蓋が開いた、
?「やぁ、目覚めたかい?」
『⋯だ⋯れ⋯?』
?「僕は【ザー】、【ザー】【ザー】だよ。」
あれ⋯?でもノイズが掛かってよく分からないな⋯
『【ザー】⋯』
「そうそう!よく出来たね」
褒めてくれた⋯
『ねぇ、【ザー】⋯私は誰⋯?』
「そうだねぇ⋯思い切って二人分の音楽を流してみたけど⋯名前⋯どうしようかな?」
二人?どう言う事だろう?
『誰を入れたの?』
「丁度その時手元にあった奴だったからね⋯えっと何だっけかな?⋯確か、ヘンデルと滝廉太郎だったかな?」
え⋯⋯
『⋯、ヘンデル⋯滝⋯廉太郎』
「そうそう、ヘンデルは音楽の母と呼ばれ、滝廉太郎は日本に洋風音楽の礎を築いた天才作曲家だよ」
『天才⋯凄い!』
「そうだね、そして君はその2人の音楽によって新たに誕生した人間、"クラシカロイド”だよ」
『クラシカ⋯ロイド⋯かっこいい!』
「気に入ったかい? でもね、君にはまだ秘密の力があるんだ」
『秘密⋯?』
「もし、君が自分自身の音楽の記憶を思い出した時発する不思議な力、名ずけるなら"ムジーク”かな」
『ムジーク⋯使ってみたいな』
「よし、まず試しに⋯動けるかい?」
『やってみる⋯うわっ!』
私は目覚めてすぐだったから動かして直ぐにコケてしまった、
「おっと、大丈夫かい?」
『うん⋯でもコツは掴んだ⋯』
彼に起こしてもらって今度はさっきみたいにならないよう、足全体に力を込めて1歩1歩歩いた、
『⋯⋯、やった!』
「おぉ! 凄いね!目覚めてこんなに早く歩けるなんて、君は凄いよ」
『ありがとう⋯⋯ハッ!』
その時、私は過去の記憶を思い出した、
ホール内の沢山の観客⋯
その中で美しく響くオルガンと歌声⋯
そして空を可憐に舞う、天使達⋯
『思い出した!!
【ザー】、【ザー】【ザー】!!』
そこからの私の記憶が無い⋯また暗闇に戻った⋯
待って、今のは誰だったの?
ダメだ⋯記憶が薄れてぼやける⋯何度も思い出そうとしても逆に消えていく⋯
あ"ぁーーー。
『!?』
すると私の真後ろから何かの気配と声がした、振り返ったけど何も居ない、
⋯今のはなんだったのだろう。
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Toukura(プロフ) - @りのくさん コメントでの感想いつもありがとうございます!! (2022年7月31日 9時) (レス) id: 0ff4b4e40b (このIDを非表示/違反報告)
Toukura(プロフ) - ありがとうございます!! (2022年7月17日 19時) (レス) id: 0ff4b4e40b (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 更新お疲れさまです!夢主ちゃんの頑張りで無事に解決して、プリン談義をおこなう皆が可愛かったです。プリンに大喜びの夢主ちゃんもすっごく和みました……!番外編も面白かったです、1000HITおめでとうございました!(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ (2022年7月17日 19時) (レス) @page16 id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
Toukura(プロフ) - コメントありがとうございます!実はちょっとした伏線があるので今後の展開を楽しみにしててください!!m(_ _)m (2022年7月13日 20時) (レス) id: 0ff4b4e40b (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 白いスキマもなんだか気になります、夢主ちゃんの頭痛や目の痛みも心配ですが、最後は無事に解決することを祈ります……!今後もどうか、ご自分のペースでゆったりと執筆なさってくださいませ〜。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ (2022年7月13日 17時) (レス) id: 6dc8803727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Toukura | 作成日時:2022年6月25日 20時