小児科病棟の日常【浦島坂田船】【ATR】

カルテ４０． ページ46

あれから数週間。

そらるがいなくなってからのまふまふの様子はどこかおかしかった。

段々情緒が不安定になっていき、今は、




「……っ触らないで！！！」


人を拒絶するようになっていた。









「相川さんの病状は？」

「段々とひどくなってきています…このままでは……。」


そらるのことも含めて、３０２号室は医学的にも有名になりつつあった。
病院内の医者は、担当が違っても、どこからか情報を得ているらしく、噂が絶えなかった。


「まふくん、入るね。」


他の子たちに影響が出始め、３０２号室から隔離されたまふまふ。

手は暴れないようにベッドに固定されている。


「落ち着いた…？」
「来ないで。」


恐怖と不安を湛えたその目は、黒く濁っていた。

見ていられなくなって、手の拘束を解いたけれど、私は彼の方を見ることができなかった。



きつく拘束されていたようで、赤くなったその腕を見て、私が彼に近づいた瞬間。




「いや！来ないで！！」









近くにあった花瓶が頭に当たって、バリン、と音を立てて割れた。

上から流れてきた液体は花瓶の中の水なのか、それとも別の何かなのか。




やってしまった、という顔をして、

苦しそうな、悲しそうな表情を浮かべて。




そっと近づいて暴れる彼をグッと抱き寄せた。







「大丈夫、だから。」



「…A、せんせ…。」





視界がぼやけて、意識がふわふわする。


それでも、彼を手放すことは出来なくて。



「よく、頑張ったね。」






視界がブラックアウトして、意識が無くなる直前に見たのは、



まふまふの頬に流れる涙だった。







ーあぁ、また泣かせちゃったなぁ。









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テストが近づいてきました………

次の更新は何時になるのやら…





このシリーズが段々伸びていっている姿を見るのが楽しくて仕方ありませんｗ








追記：お願いです、なんでもいいのでコメントを……(´;ω;｀)

批判、感想、アドバイス、ほんとになんでもいいので………(´;ω;｀)

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