小児科病棟の日常【浦島坂田船】【ATR】

カルテ３６． ページ41

「一条光輝くんの検査結果もらっというたよ。」
「ありがとうございます、詩人先生。」

飯田先生と関わりたくない、という私の願いが伝わったのか、詩人先生はわざわざカルテを持ってきてくれた。

「この検査結果的に大丈夫なの？」
「……。」


答える事すら、できなかった。









「うらたくん、吸入してもいいよ。」

回数制限があるとはいえ、今回はいつもより少し大変みたいだということで、紫色の小さい物体を彼に手渡す。
手が酸欠で震えているので、少し補助をしてやると、スウー、と吸入の音が聞こえた。

「志麻くん、今日はお腹痛い？」
「結構マシ。大丈夫そうです。」

慢性膵炎は食事制限がある他、消化酵素剤を投与するのが治療の主なところ。結構な頻度で腹痛やらなんやらに見舞われる。

「そらるさん、」
「ぅん。…っ…。」

今日は胸痛がひどい日らしい。締め付けられる感覚がするそうで、痛み止めを飲むしか方法が無い。
特効薬は模索中の段階だ。

「けほっ、けほけほ、」
「センラくん、お水飲もうか。」

軽い風邪を引いた、と聞くと大丈夫そうに聞こえるが、彼の場合そこから肺炎になったりすぐ重症化する可能性が高い。要注意なのだ。

「坂田くん、薬飲めそう？」
「…ぉえ、」

偏頭痛で吐き気が止まらなくて薬が飲めない。雨のたびに起こるのだから、偏頭痛というのはやっかいだ。

「まふくん、手動かせる？痺れとかある？」
「大丈夫です。」

内頚動脈狭窄症は慢性的な脳梗塞が起きる。症状として、目が一時的に見えなくなったり、手足が動かしにくくなったりする。日常動作が上手くいかないのは、結構ストレスがかかるものだ。


「るすくん、どう？」
「ちょっと、気分悪い…。」

luzは先天性赤血球異形成貧血の合併症で脾腫ができてしまっている。呼吸困難になることはないが、吐き気が最近あると言っていた。珍しい病気というのは、対応が遅れがちで、今すぐどうこうできないのが歯痒い。



どうすれば、彼らの未来を守れるのか、考えれば考えるほど不安になっていく。






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更新できていなくてすみませんでした！！



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変わりたい 【あ.ほ.の.坂.田】(http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Touka11033/)



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追記：修正何か所かしました！！良ければ最初から見ていってください！

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