カルテ10. ページ12
庭に着いて見た光景は、
涙目でまふまふに呼びかけるそらると、若干過呼吸になっているうらたと落ち着かせている志麻、自分の白衣や服を使って止血をしながらも指示をする天月先生だった。
地面には鮮血が散乱しており、頭から流れる血液は止まることを知らなかった。
「天月先生!」
私が呼びかけると、彼は手を止めることなく話し始めた。
「分かってると思うけど相川真冬くん、16歳。向こうから走ってきた軽型トラックと正面衝突していました。左脚は多分骨折で、その他首から下には目立った外傷は無し。頭からの出血が止まりません。」
私の着ていた白衣も渡し、瞳孔や心拍数を確認する。
応急処置をしている間にストレッチャーが到着し、まふまふはあっという間に運ばれていった。
3人は天月先生に任せ、私は手術中の赤いランプがついた手術室の前のベンチに座っていた。
暫くして、足音がしたかと思うと、そこには小学生くらいの子供を連れた見知らぬ母親がいた。子供は泣いていて、もしかして体調が悪いのかとか、母親が怖いのかと疑問に思った。
「あの…」
話しかけてくるその人の方へ顔を向ける。
「はい。」
「さっきの事故、あったじゃないですか。」
何だその言い方は。
心配からくる苛立ちのせいで彼女に当たってしまいそうになり、思わず少しため息をついてしまった。
何をしているんだ、自分は。
「それがどうかされましたか?」
「あの、さっき運ばれた白髪の男の子、
…………この子をかばって車に轢かれたんです。」
ー優しい人が報われなくてどうするんですか、神様。
話を聞けば、ボールを追いかけて息子さんが走っていった先が道路で、危ないと追いかけていったのがまふまふだったらしい。そして先に走っていた息子さんは無事に渡れたが、後を追いかける形で走っていたまふまふは間に合わず、車に跳ねられたそうだ。
このご時世でちゃんと謝りに来てくれる人なんて決して多くない。
わざわざありがとうございます。
息子さん、ご無事でよかったですね。
それだけ言って、私はその場を去った。
なんだか、自分も、まふまふも、そして連れられていたあの男の子もいたたまれなかった。
--------------------
いやー、専門の知識が無いのにこんなものを書いてしまっている…
アドバイスなどございましたら、ぜひコメントしてください!
671人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「nmmn」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凍華(プロフ) - 村さん» ありがとうございます!私病院とかよく分かってない状態で書いてるんですけど…そう言ってもらえて嬉しいです! (2020年9月11日 0時) (レス) id: c3f81e4fc6 (このIDを非表示/違反報告)
村 - 400票を401票にしてしまった罪悪感...読み始めたばかりですが応援してます!お忙しかったらお返事は大丈夫です!ストーリーがホントに大好きです!小児科ではないけど医療目指してるので確かにって思うことたくさんありましたwこれからたくさん読ませていただきます! (2020年9月10日 18時) (レス) id: c1b5418976 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 凍華@ラさん» いえいえ、物凄くお待たせしてしまったのでコメントくらいさせて頂きます!それと、読んで下さってありがとうございます! (2020年7月13日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
凍華@ラ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます!!見させていただきましたよ、通知が来たので!わざわざコメント、そして高評価まで、本当にありがとうございます! (2020年7月13日 17時) (レス) id: 960374666f (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - お待たせしてしまい申し訳ありません!【続編】イベント参加者様の作品をアドバイスさせて下さい! と言う作品に書かせて頂きました。見て頂けたら嬉しいです。それと右の☆をポチらせて頂きました。 (2020年7月13日 15時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凍華@ラ | 作成日時:2020年2月24日 15時