白虎 ページ7
探偵…?
凄くそうには見えない…(失礼)
敦君とぽかんとしていると、国木田さんが面倒臭そうに言った。
国「探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
『武装探偵社…?』
国「なんだ、知らんのか」
『最近ここら辺に越してきたばかりなので…』
太「それならしょうがない、特別に私が説明してあげよう!」
そう言って太宰さんはドヤ顔。
『えっとじゃあ…お願いします。』
太「『武装探偵社』は軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする武装集団──昼の世界と夜の世界の間を取り仕切っているんだ。あっ夜の世界は裏社会のことだよ。社員の多くが異能力を持っていて──」
国「太宰、喋りすぎだ。こいつが普通の市民だとは限らないぞ」
太「私の考えだとA君は裏の人じゃないとは思うが………国木田君に云われちゃったから、説明はここまで。」
『微妙なところじゃないっすか…』
太「また後で話すよ。」
太宰さんはウィンクをしたけど…後でってどういう事なんだろ
敦「あ、あの…探偵のお二人の今日のお仕事は」
国「虎探しだ。」
敦「………虎探し?」
ん?何か知ってるのかな敦君
太「近頃、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり、畑の作物を食ったり好き放題さ。最近この近くで目撃されたらしいのだけど──」
ガタッ
うぉっ…心臓に悪いよ本当
そう思って敦君の方を見ると、椅子から落ちて絶望したような顔をしている。
敦「ぼ、ぼぼ、僕はこれで失礼しますっ」
『話している最中に逃げるとは随分失礼だな?』
今の俺より身長が5cm位高い敦君の首根っこを掴む。
敦「や、やめろ!!」
『それも年上に向かってその口の利き方…礼儀がなってないなァ?』
そう言うと、敦君は目を丸くした。
敦「……と、年上?」
『これでも一応21だぞ。』
敦「えええ!?」
『それより、聞いた話だとこのお二人は中々に強いらしいから心配要らないんじゃないか?』
敦「いくら何でも人には無理ですよ!!」
太「何故そう思うんだい?」
敦「……うちの孤児院はあの虎にぶっ壊されたんです。」
話を聞いたところ、敦君は孤児院が荒らされた後、口減らしに追い出されたらしい。その後、鶴見川の辺りをふらふらしていた時に見たんだとか。
太「ふうん……敦君、A君、これから暇?」
太宰さんにっこりしてる。ものすごく嫌な予感。
太「虎探しを手伝ってくれないかな?」
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作者名:凍架 | 作成日時:2018年6月14日 20時