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佐野晶哉、32歳。
大学3年生の頃「集火」で鮮烈デビュー。 その後もヒット小説を書き続け、25歳の頃に書いた「ささやかなる時間」は初めてドラマ化され、27の時に書いた「君は謎の中で眠りにつく」は芥川賞受賞の話題作となり一躍人気作家へと登りつめた若手人気作家である。
「編集長、聞いてた話と違うんですけど」
「何が？」
「佐野先生ですよ、私の事認めないって言い出して」
「はあ！？アイツそんな事言ったのか！」
「はい」
「柊、なんか失礼なこと言ったか？」
「本当に心当たりがないんですけど、、、、」
「佐野先生は極度な年下嫌いなんですよ。編集長、それ忘れて柊配置するなんて可哀想すぎますよ」
「大西先輩、それホントですか？」
「うん、俺大学の後輩なんだけどあの人女関係とか諸々で年下と結構揉めてたから。後は作家業界的な問題だよ。ほら、先生早くから売れたから」
「ああ」
「それに柊は美人だし、元カノとかに重ねたんじゃないか？柊お前貴方だけは許さない読んだことあるか？」
「はい、先生の本は大好きで全部チェックしてます」
「あれの京子、大学時代の元カノで顔の作り似てたぞ」
「編集長、ならなんで私をそんな人の配置にしたんですか。私避けられるの辛いです」
「すまん、俺の配慮ミスだった。でも、柊なら出来ると思って配置したんだ。頑張ってれば先生は必ず認めてくれる。俺はそう信じてるから、半年、せめて半年は耐えてくれ」
「分かりました」
編集長は期待して私を配置してくれた。
こんな新入りの私を。
先生が今書いているのは恋愛小説。
内容は練り直すとか言って教えてくれない。
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作者名：きい
| 作成日時：2020年4月22日 23時
