君の1番になりたくて～私の年上彼氏～ (ページ22)

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誠也に手招きされるまま呼ばれる。
来てた男性上司に「え？石塚くんいたの？」と驚いた顔をされる。
「明日からSweet編集担当、僕の大切な彼女です。普段から彼女の髪は切っているのですが、注文が少し多いので今彼女が1番似合う髪を僕の独断でやりたいと思います」
いやいやいや、え？嘘でしょ
「髪色は彼女が一昨日寝てる間にこっそり染めて文句言われました。でも僕は1番似合うと思います」
「怒るわ！前も勧めて貰った色に染めたのにまたかよこいつ！って思った」
会場は笑いに包まれる。
「それでは始めたいと思います。いいよね？」
「うん」
誠也は私や周りに話しかけながら髪を切りすすめていく
「えっと、僕と彼女まあ見ての通り出会いはお店です。彼に振られた彼女は初めて会った僕に言いました。好きに切ってくださいと。あれ以来リクエスト聞くのは仕事なのでまあ好きに切らせてくれなくて」
「まあそれで色々あって付き合ったんですけど、Sweetに最近移動が決まって。で、ヘアカタログがよかった～！とか嘆きながら最近の子どういう格好してるの？とかめちゃくちゃ聞いてきて。凄く仕事熱心だな～って思って」
こんなの人に聞かせて大丈夫なの？といった感じな会話をしながら切りすすめていく。
「うん、俺はこれが1番いいと思う。めっちゃ可愛い。彼女びいきではなく。後ろこんな感じな」
そうやって笑う誠也は初めてきって貰った時を思い出させた。
「え！可愛い！やっぱり誠也さすがだね！いつも多くリクエストしてごめんね」
「いや、答えるのが美容師の仕事。そこからいかにしてベストに持っていくかだし。ねえ、A。優勝したら言おうって決めてた。僕と結婚してください」
あまりの衝撃で言葉が出なくなる。
会場もどよめきが起きる。
私を幸せにしてくれるのは誠也しかいないんじゃないか。
今、迷いなくそう思える。
「こんな私でよかったらよろしくお願いします」

END