パラレルドリームワールド

それぞれの性格 ページ9

食欲の秋。焼き芋、みかんなど
様々な食べ物がある。

うちのパラレル家族は食べ物に目がない。
季節ごとの食べものに食いつく。

寒っと言いながらも両手に焼き芋を持ち帰宅してきたのは平助くんである。

その隣には新さんもいた焼き芋を持って。

近くで焼き芋屋がいたらしく買ったらしい。
さすが平助くん、食に関しての情報が凄い。

こたつに入るとさっさと食べる平助くん。
半分に割ると「食べる？俺は半分でいいよ」と
差し出してくれる新さん。

ありがとうと受け取ったとき。
新八さんがふらっと入ってきてこう言った
「新さんは本当、他人思いというか、優しいんだなー」と

パラレル家族の中で一番察し能力高く、
些細な事も聞き逃さない、
そして心を読むのが得意というのは
新さんしか居ない。

平助くんは勿論自分勝手と言うわけではない。
気も利くのだが、ちょっとずれてる。

新八さんも、気が利かないわけじゃない
けど平助くんと同じでずれてる。

気が利く部門は恐らく左之さんと、
新さんだろう。

優しさ部門は断トツで新さん。
何故なら彼は老若男女問わず優しく出来る。

新八さんも、平助くんも左之さんも
優しさがないわけじゃないが…女子限定だったりして
男には厳しい…というか、冷たいというか。

新さんは分け隔てなく接する。
そしてその会話の中で相手の心を読み
返事を選ぶ。だから喧嘩も起こらない。
きっとこういう受け答えをしたら
相手の怒りを買うだけ、と言うのが分かるのだと思う。

だから喧嘩にならないのだろう。

このパラレル家族の中で今までにこんな性格の
男は現れたことがない。新さんが初めてだ。

新八さんが「こういう性格の男はモテるし良いよなぁ」といつもの愚痴をこぼしだした。

確かにとモテるというところに同情しながら
私は焼き芋を頬張った。

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