特別クラスの彼は叶え屋【ヒロアカ】 (ページ6)

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願いが五個ページ6

マイクside

『さぁ、考えたこともなかった』

うつ向きがちにそう言った。それまで詰まること無く答えていた彼岸が、確かに悩んだのだ。
つまり、彼は正真正銘少しも将来について考えたことが無かったのだ。
詳しい年齢はわからないが、恐らく生徒たちと同じぐらいの年齢。それなのに将来について考えたことが無かったのだ。子供なら一度は考えたことがあるだろうし、それに悩んでいる生徒も多い。
考える暇がない、ということなのか。それとも、

「今に固執している？」

昔、どこかの大量殺人を起こした殺人鬼が、異様なほどに今に固執していたという話を聞いたことがある。処刑を言い渡された時も、死への恐怖を感じている様子はなく「大袈裟だろ」と言って笑っていたとか。おーこわこわ。

だが、確かにその殺人鬼と彼岸は似ているところがある。
彼岸は入学を伝えたとき怒りを表したものの、怖がる様子はなかった。あんなにもヒーローが回りにいる状態では、一切法に触れるようなことをしていなくとも緊張してまともにしゃべれないだろう。俺ならちびっちまう。
が、彼岸は一切怖がる様子はなくヘラヘラしていた。むしろ、怖がるどころかその瞬間を楽しむような、そんな笑みを見せていた。

また、医師は、その殺人鬼に快楽依存症という診断をした。
別名瞬間依存症といいその症状は、幼少期に極度のストレスを与えられたときに希に現れるもので、過去に殺人鬼を含め数人しか現れていないそうだ。発症すると、異様なまでに楽しみに飢えるのだとか。美味しいものを狂ったように貪るものもいれば、殺人鬼のように死と隣り合わせだというスリルを楽しむ者もいる。以前一般人とは様子がかけ離れている。

もし、彼岸が瞬間依存症であればあの様子にも納得がいく。何かあるかもしれないというスリルやわくわくが彼の原動力となってる。
が、もし彼岸が本当に瞬間依存症であるならば過去に極度のストレスを与えられる環境にあったということだ。

「こいつはシヴィー…」

少なくとも、俺にできることはあるだろう。
ゆっくりでもいいから、アイツから話を聞いていくか。

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因みに1-E のEはspeciallyからとっています。
瞬間依存症、快楽依存症は完全オリジナルです。