願いが四個 ページ5
マイク「まずはリスナー、名前を教えてくれ！」
『彼岸』
マイク「本名は？」
『さぁ？』
マイク「オーケー、オーケー！じゃ次だ！」
マイク「トシ！すなわち年齢は？」
『あー、んー、内緒！』
マイク「せめて干支だけでも！」
『内緒！』
にっと笑う彼岸。
マイク「そんじゃあ、一様だが性別は男だよな？」
『うん、今はそう』
マイク「個性は？」
『内緒』
マイク「戦闘向き？サポート向き？」
『内緒』
マイク「そもそも、個性はあるのか？」
『内緒』
マイク「カー！手強いな！」
マイク「リスナーの仕事は叶え屋だと聞いてるけどよ、具体的には何をしているんだ？」
『願いを叶えたげる代わりに願いの大きさにみあった対価を貰う』
『いたってシンプル。分かりやすいでしょ？』
マイク「確かに！簡単でいいな！」
マイク「ちなみに、今までどんな願いを叶えてきたんだ？」
『内緒』
マイク「また内緒か…」
マイク「リスナーの家族は？さっき家が無いとかって…」
『居ないよ。家はまぁ、依頼を叶えるついでに、みたいな？』
マイク「oh…」
マイク「制服はいいが教材はどうするよ？」
『ここに置いていっちゃダメ？』
マイク「いいんじゃねーか？」
マイク「んじゃ次の質問。お前はヒーローやヴィランをどう思っているんだ？」
『どうとも思っていない』
『強いて言うなれば、どっちもめんどそー』
マイク「オーケー！」
マイク「最後の質問だ！」
マイク「お前は将来どんな人間になりたい？」
『…』
プレゼントマイクの質問に、言葉がつまる彼岸。
静かに、下を向いて考える。
『さぁ、考えたこともなかった』
『そうだなぁ、別にどうだっていいや』
『無難に無難な人生を送れれば、それで』
プレゼントマイクは、「そうか」と優しい声で言うと教室を出ていった。
今日はもう好きにしていいと言って。
ポツンと一人になった彼岸はプレゼントマイクの顔を思い出していた。
『何で、自分の事じゃないのにあんなにも悲しい顔をするんだよ』
『同情か。見て見ぬふりをして、助ける気なんか微塵も無いくせに』
『ハァ、めんどくさい』
大きく深呼吸をして、窓の外を眺める。
『好きにしていい、ってことは帰ってもいいし学校を見学してもいいってことはだよね？』
『そうだなぁ、ちょっと見学してこうか』
『どうせ、仕事もないし』
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作者名：佐藤さん | 作成日時：2021年3月24日 14時
