特別クラスの彼は叶え屋【ヒロアカ】 (ページ3)

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願いが二個ページ3

校長「はじめましてなのさ！」

いかにも高級そうな長机と椅子。そこに座るのは真っ白のネズミ。
友好的に話しかけてくるから驚きだ。

『どもー、ネズミさん』
『突然だけども一個聞いていい？』

校長「いいとも！」

『何でこんな厳重警備なの』

右にはロン毛とトサカ。左にはナイスバディなお姉さんと平和の象徴。目の前にはネズミ。それから、この部屋には居ないが、扉の前に弁慶がごとく立っている消しゴムと重機。このようすでは外にも何人かいるのだろう。

明らかに過剰防衛とも言える警備。疑問を抱くのは仕方がない。

校長「もちろん君のことは信用しているのさ！」
校長「でも、万が一のことも考えて、少しだけ警備体制を強化したのさ！」

『ふーん』
『ま、いいや。そんなことよりお願いはなぁに？ネズミさん』

校長「雄英に入学して欲しいのさ！」

『は？』
『ヒーローになれって？そりゃ無理な話だねぇ。ま、ヴィランになるきも無いケド！』

ピリついた空気の中、場違いな笑みを浮かべる彼岸。

『僕はヒーローにもヴィランにも属さない！そう決めているんだ』

校長「別にヒーローになれとは言わないのさ」
校長「でも、君には雄英に入学してもらわなくてはならないのさ」

『ナンデ？僕を雄英に入れても、あんたらにメリット無いよ？』

校長「あるさ！」
校長「まず、ヴィランと多く関わりのある君に接していれば、何か収穫があるかもしれない」
校長「そして、対価にもよるけど、簡単な願いなら叶えて貰える」

校長「何より、君という人間を救うことができるのさ！」

『あっそ』
どうでもいいと、興味も示さない彼岸。

校長「もちろん！学費や食費、その他諸々は全て学校側が受け持つさ！」
校長「ある程度なら元の交換屋としても仕事をしてくれて構わないのさ！」
校長「学校に行く気が無ければ午前までで帰るとか、休むことも認めるのさ！」
校長「他にも、」

ガンッッ！！

根津校長が話を続け様とすると、彼岸が強く机を叩く。
彼岸の表情は冷めきっていて、口は真一文字である。

『対価は？』
『あんたが上げたものは当たり前のことデショ？』
『そんなん、僕のメリットがまるでない』
『僕のメリットは？雄英に入ったら何が貰えるの？』

校長「＿＿＿なんてどうだろう？」

少し悩んだ後、にんまりと薄気味悪い笑みを浮かべる彼岸。

『いいよぉ』
『君のお願い、叶えたげる』