特別クラスの彼は叶え屋【ヒロアカ】 (ページ1)

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願いが一個ページ1

『ふんふ、ふんふ、ふーん♪』

鼻歌混じりに歩く少年。
辺りにごろごろと人が転がっているなか、気味悪いぐらいに笑っている。

『ハァーイ！弔クン！』
『元気してたー？』

弔「ノックをしろ」

『アハッ！ごめんねぇー次から気を付けるよー』

反社会的勢力、ヴィラン。その中の頂点とも言えるヴィラン連合の代表、死柄木弔。
イライラしたようすの死柄木に臆することのなく、少年は笑う。

『で、頼まれていたものはコレの中に入ってるから！』
『ちっちゃいからってなくさないでねぇ』

USBメモリーを机の上に置く。

『でぇー、約束のモノはどこー？』

弔「ああ、ここだ」

カラカラと蛍光ピンクの目玉入りが入った瓶を振る。

弔「チッ、気色悪ぃ趣味してんな」

『酷いよなぁ弔ー』
『まいっか！お代は貰ったしぃ、じゃぁねぇ』

死柄木から瓶を受け取ると帰って行く。

『ふんふ、ふんふ、ふーん♪』

スキップを踏み、ルンルンで夜の町を歩く。

少年に名前は無い。
雪のような肌に彼岸花の刺青から裏の世界では「彼岸」と呼ばれ、知らない者は居ない。

「叶え屋」
依頼者のどんな願いも叶える代わりに、依頼者から対価を貰う。

裏の世界なら知らぬものは誰も居ない。今日もまた、誰かの願いを叶えに行くのだ。