31話 ページ31
仕事が終わってAさんに連絡をした。
"今仕事終わりました。お店に着くの21時頃になりそうです。遅くなってごめんなさい"
ふぅー、緊張する。
本当は電車で向かいたいところだけど、今日は待たせちゃってるからタクシーで向かうことにした。
タクシーに乗ってすぐAさんから返信がきた。
"お仕事お疲れ様でした"
"夜遅くにありがとうございます。お気をつけて"
Aさんからのお疲れ様で全ての疲れが吹っ飛ぶ気がする。
大袈裟じゃなくまじでね?
今日はロケしてたところが割と近くて、あと5分くらいで着いちゃうみたい
"ありがとうございます。もうすぐ着きます"
そう連絡してタクシーを止めてもらった。
北「ここで大丈夫です。ありがとうございました」
タクシーを降りて少し歩くと見えるAさんのお店。
今からどんな話をされるか分からないけど、久しぶりのAさんの空間が恋しいんだ。
お店のドアには"closed"の札がかかっていて、俺のためっていう優越感があってついにやけてしまう。
北「よし、いきますか」
決めたんだ。
何を言われようと、2度と会えなくなろうと
この気持ちを伝えるんだって。
…本当はクリスマスに渡すつもりだったプレゼント
北「頼んだよ、Aさんの物になってくれよ」
今日しかないんだ。だから、このプレゼントにも念を込めてドアを開けた。
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作者名:Toraco | 作成日時:2024年1月9日 18時