待ちぼうけ (ページ23)

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23話ページ23

明日休みだからお酒を飲みたい、Aさんからのリクエストをいただき。

近くにいいお店があるとのことで、カフェから5分ほど歩いたところにある和食屋さんに連れてってもらった。

店主のおじいちゃんと、多分その奥さんが出迎えてくれて

『あら〜、いつも1人で来てるのに今日は素敵な方といらしてくれたんですね』

と奥さんに声をかけられると恥ずかしそうに、

「ふふっ、そうなの。すごく素敵な方だからフミさん達にも会わせたかったんだ」

…会わせたかったという言葉がすごく嬉しかった。

Aさんのテリトリーに入ってもいいってことだよね？

って、浮かれてる場合じゃない…！

Aさんの行きつけのお店なんだからきちんと挨拶しないと！

北「吉野北人といいます。今日は夜遅くにお邪魔させていただいてありがとうございます。」

そう言って頭を下げる。

そんな俺を見たおばあちゃんとAさんは、2人で笑いながら

『しっかりしてる方で安心したわあ』

「ふふっ、北人さん緊張してるみたいです」

そう言うとフミさんに、いつもの席いい？と奥のテーブル席を指しながら返事を聞く前に席に座った

心を許した人に見せる素のAさんはいつもより無邪気で、やっと年下らしいところを見れた気がした。