21話 ページ21
貴方side
今日の仕事を終えて、帰る準備をしながら携帯を確認すると。
"北人です。Aさんが最短で空いてる時間があればご飯に行きたいです"
そう連絡が入っていた。
吉野北人さん、とても素敵な人。
見た目も中身も完璧で、こんな素敵な人がなぜ私に?って不思議でしょうがなかったけど彼の気持ちは素直に嬉しかった。
「って、いけない。返信しなくちゃ」
"Aです。今日はありがとうございました。私は明日、月曜が定休日なのと土曜日が午後のみの営業なので日曜と金曜の夜は空いてます"
固いかな?と思いながらも失礼があってはいけないと思い、そのまま送信した。
準備が終わってお店の中へ最終確認しに行くと、入り口の小さい窓から人影が見えた。
今日来てくれたお客さんの忘れ物かな?
そう思って、営業時間の案内をしようとしてそのドアを開けると。
「あのー、すいません。本日は営業時間終わってまして…」
北「わ、びっくりした。Aさんお仕事お疲れ様でした」
そこには先程までお店にいた北人さんが立っていた。
「北人さん、なぜここに?…もしかして忘れ物ですか?」
意識している相手が目の前にいるとまともなことが話せないみたい。
可愛げのない言葉をかけてしまった。
そんな私を見て微笑んだ北人さんは、
北「予定決めるまで待てなくて。会いに来ちゃいました笑」
…そう言って笑う北人さんは、本当にずるくて素敵な人。
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作者名:Toraco | 作成日時:2024年1月9日 18時