焦っても変わらないこと ページ47
『ふふふ、いい気味ねぇ。自分で自分を攻撃する気分はどう？痛い？苦しい？それとも、死にたい？』
「グギィイィ！！」
『五月蝿い。黙れ。…あぁ、叫べなくすればいいんじゃん！』
私ったら、天才！！
過度に興奮しているのか、普段よりもテンションが高めで、考えが纏まっていないことを微かに理解する。
(これ以上やったらいけない。)
そう思うのに…
『もーちょい、消える前に苦しめ。
私よりも苦しまないと許せないタチでね。』
もう一度術式を発動させようと構えた瞬間だった。
『は？』
目の前に急に現れたのは、先程の白い蝶。
しかしそのことに驚いたのではない。
『なんなの、コイツ！！？』
その蝶は今や、呪霊の倍はあろうかという大きさとなって目の前に現れたのだ。
しかし、そのおかげで気付く。
(コイツ、私の呪力が元になってる？)
すると蝶は、なんの躊躇いもなく呪霊の方へと近づき、覆い被さる様に留まる｡
次の瞬間聞こえたのは、先ほどとは比べ物にならない呪霊の断末魔の叫びだった。
「グギィイィッイギィイィ！！！！」
『っ！！！』
思わず冷静になって、蝶の暴走を止めようと呪力を操る。そして、それは成功するはずだった。
『っ！？なんで操作できないのよ！？』
自身の呪力を感じる蝶は操ることが出来ず、暴走を続ける。
ふと気がつくと断末魔は消え、代わりに残ったのは呪霊の呪力を吸い取り、禍々しい赤色に両羽を染めた蝶だった。
そして、どんどんこちらに近づいてくる蝶に臨戦態勢を取ろうとした瞬間、身体が崩れ落ち意識が遠のく。
(く…そ…っ、呪力切れ…かよっ！今意識を…失っ…た…ら。)
何とか意識を保とうと、唇を噛み締め痛みを与えようとするものの、瞼はどんどん落ちていく。
意識を完全に失う前に聞こえた声に、心の中で微かに笑う。
「A！！！！」
(ハハハハ、柄にもなく焦ってんのね。それに、私の名前を…)
「お……い！！……か……や…う！」
『ハハ、心配す…ん…な｡
独りに…し…な…い…か…ら。』
最後の力を振り絞り、言葉を掛けると同時に視界が暗くなる。
▼▼▼▼▼
あと一話書いたら、続編に移行します！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Chai(プロフ) - しらすさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえると嬉しいです！ (2021年4月26日 17時) (
レス) id: dd818a607a (このIDを非表示/違反報告)
Chai(プロフ) - もっっっちさん» ありがとうございます。更新頑張ります… (2021年4月26日 17時) (レス) id: dd818a607a (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 控えめに言ってこの作品大好きです (2021年4月20日 20時) (レス) id: 5d40a22327 (このIDを非表示/違反報告)
もっっっち - うわぁぁぁめっちゃ好きです！更新頑張ってください!! (2021年4月19日 23時) (レス) id: 719e5dac86 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - わああ！！！ありがとうございました！！！とっても続きが気になります、、更新これからも頑張ってください！ (2021年2月15日 21時) (レス) id: 17d04197cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
