家の外 ページ4
外の空気が吸いたくて、窓を開く。
すぅ…と息を吸うと、血生臭いにおいが鼻に入ってきた。
びっくりして身を乗り出し、外を見渡すと、黒い物が、家の影や路地裏に溜まっていた。
その黒い物の周りや、店らしき建物の前には、血溜まりがあることに気付く。
(そういえば…ここはそんなに高い場所にあるわけじゃないのに…外の音がいっさい聞こえなかった…)
見慣れない光景が恐ろしく、私は腰を抜かしてしまった。
それと同時に、朝食を作っていた死神が部屋に戻ってきた。
レイリス「あれ、どうしたの?何かあった?」
私は口をパクパクと動かし、窓の外を指した。
レイリス「あぁ…そっちまでは伝わってなかったんだね。最近神とかいう奴が攻めてきて、それでこうなっちゃったの。おかげで生き残りは僕だけだよ」
同じ種族の者を大勢失ったというのに、何故かレイリスは楽しそうに話していた。
いつもだったら「気味悪い」とか思うはずなのに、今朝からこいつを見る目が変わってしまった。
(悟られたら駄目…)
『なんでそんな楽しそうに言えるのよ…頭おかしいんじゃない…?』
レイリス「あはは!だって何しても僕は誰にも叱られないから自由なんだよ!楽しいに決まってるじゃん!」
さ、ご飯食べよ!と、レイリスは楽しそうに言って、部屋から出て行った。
私はすぐにその後を追った。
あんな光景をいつまでも見ていられるような性格じゃないからだ。
『はぁ…笑ってる時以外は最低ね…』
部屋を出る時、誰にも聞こえないような声でそう呟いた。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:弔 | 作成日時:2021年2月7日 23時