深淵の森 ページ1
_絶対に足を踏み入れてはいけない場所_
深淵の森と呼ばれるその森は、魔獣や死神、邪神で溢れかえっている。
足を踏み入れれば二度と帰ることはできない。
昔からそう伝えられてきた。
このお話は、恐れられている森に住まう魔獣、Aと、死神、レイリスの物語。
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森の外の人間達は、森を恐がって入ってこない。
だから最近は狩りができなくてつまらない。
どうしよう…何をしようか…
ターシャ「ねぇA、私いいこと思いついちゃった」
『ん？何〜？』
そう呼びかけてきたのは、暇だったから家に呼んでいた、ダークエルフのターシャ。
彼女は好奇心旺盛だから、どうせドラゴン探しに行こうとか言い出すのだろう。
ターシャ「死神の区域に入ろうよ！」
彼女の提案したことに、私は何も言えなかった。
予想外過ぎたから。
死神は、この森で一番強くて凶悪だ。
お気に入りの可愛い女の子を見つけては、遊んだ後にポイッと捨てる、外道野郎。
『や、やだよ死神の区域は…！私…絶対行きたく無いよ…！』
私は全力でいくことを拒んだ。
本当に、死神の区域は嫌なのだ。
ターシャ「え〜？つまらないの〜！良いよ、私一人で行くもん」
『えぇっ！？駄目だよターシャ！死んじゃうよ！』
ターシャ「大丈夫よ、危なくなったらすぐ帰って来るからね」
ターシャはそう言って、いつもの明るい笑みを浮かべて、灰の色をした羽で森の奥へと飛んで行った。
その日彼女はボロボロの状態で、邪神によってみつかった。
もう息はしていなかったらしい…
あの時私が全力で止めていれば…
『ごめんなさい…許して…』
私は謝った。
散ってしまった一つの命に。
近づく足音に気付かずに…
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作者名：弔 | 作成日時：2021年2月7日 23時
