19話 ページ32
サイパスside
でどこまで話したっけ？
そうそう。
そんな私でも嫁ができた。
しかし私のことを悪く思っていた奴らが私と嫁を引きはがした。
そして私は食料も何も持たされずに
一人知らない森へと放たれた。
苦痛の日々だった。
人間案外死なないものだ。
苦しい日々が過ぎ何日かたった頃だった。
私は
｢鬼｣
と出会ったんだ。
一目見てわかったよ。あっ鬼だって。
何故か私は怖くなかった。
美しいとさえ思ってしまったのだ。
鬼︰お前は誰だ。
サイパス︰見てわかるだろう？人だよ。
鬼︰何故ここにいる。
サイパス︰分かんねぇよ自分でも。
鬼︰はっ。人間はすぐ死ぬ。弱いものだ。
サイパス︰人っていうのはそういう集団なんだよ。
でも。
サイパス︰人はそこまで弱い訳では無いんだよ？
鬼︰どういうことだ。
サイパス︰人というものは一生懸命生きている。生きているだけでもすごいと思わないか？
鬼︰おもわん。
サイパス︰そうか。でもそんな人間を見下している鬼様こそ本当は弱かったりしてな。ははっ。
鬼︰なんだと。
サイパス︰本当は怖いんじゃないの？
鬼︰そんなわけなかろう。
サイパス︰じゃぁ何で人間について何も知らない鬼が私らのことを悪く言えるんだ？
鬼︰...お前こそ何も知らんガキだな。その減らず口だまらせてやる。
サイパス︰やれるものならやればいい。
鬼︰...。
サイパス︰どこいくんだっ...！？
なんだこの黒いもの、体に巻きついてくる。
鬼︰呪いだ。お前に一生取り付く呪い。一番怖い死ねない呪い。
サイパス︰死ねない？
鬼︰あぁ。本当に人に殺されたいと思わないと死ねない呪い。自分じゃ死ねない。
｢愛する人にしか殺せない。そんな呪いだ。｣
鬼︰じゃあな。そいえばその呪いは代々受け継がれていく。
サイパス︰あぁぁぁぁぁ！！！
ただいま。
私は帰ってきてしまった。
娘の泣き声。
サイパス︰は？
そこには泣き止まない娘と動かない嫁がいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモンジュース(プロフ) - ハイテンションでのその場のノリでした。まじすんませんby布団の中で占ツク見てる人 (2017年1月7日 23時) (
レス) id: 4e0963a1d9 (このIDを非表示/違反報告)
サイパス(プロフ) - ご指摘ありがとうございます。 (2017年1月1日 10時) (レス) id: 9d9d4c3b1c (このIDを非表示/違反報告)
レモンジュース(プロフ) - ゼロは泣きたがろ→ゼロは泣きながら (2017年1月1日 7時) (レス) id: 4996d74159 (このIDを非表示/違反報告)
レモンジュース(プロフ) - 殺せん･･･どんまい･･･。 (2016年12月26日 8時) (レス) id: 4996d74159 (このIDを非表示/違反報告)
レモンジュース(プロフ) - 酷すぎるフェイント。 (2016年12月2日 15時) (レス) id: 4996d74159 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サイパス | 作成日時：2016年10月11日 21時
