倫也さん。

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「さぁ、Aちゃん」


『…なんでしょうか』



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今、私は倫也さんに捕まってる…。



ドラマの撮影現場について、何シーンか撮影して

休憩中に倫也さんが隣に座ってきて、



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「昨日、見てたよね？」



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昨日、こっそりはじこいの撮影を覗いてたの

バレてたみたいです…。

正直に見てました。というと、
そこから質問攻め。



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「俺と目合ったよね？」


『合いましたっけ…』


「流星と楽しそうに話してたよね？」


『…話してましたね』


「カイロも交換してたね」


『…しました』



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なんだ、これは。

なんでこんなに質問攻めに合ってるの。


しかも、なんで流星と話してた事とか

カイロ交換した事とか知ってるの…。



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『…倫也さん？』


「なに？」


『なんで私はこんなに質問攻めにあってるの？』


「…」


『倫也さん？黙らないでください？』


「んー…、なんか寂しかった」


『…え？』


「流星と楽しそうに話してて、俺と目合ってるのに

慌てて目逸らして…、帰ったでしょ？」


『…いや、あれは、時間が無くてですね』



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時間が無かったなんてウソ。

楽しそうに話してる倫也さんを

邪魔しちゃいけないって、咄嗟に思って

逃げただけ…。



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「俺もカイロ欲しかったなー」


『カイロならいくらでもあげますよ？』


「ただのカイロじゃなくて、

Aちゃんの下手っぴな絵が書いてあるカイロ」


『え…、カイロ見たんですか？』


「流星が嬉しそうに見せてきたよ」



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えぇ、流星可愛い…。



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不意に倫也さんに

ほっぺをつままれる。



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「今、流星可愛いとか思ったでしょ」


『…倫也さん、痛いです』


「とにかく、俺は寂しかった」



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やめて…、お願いだから。

そうやって、期待させるようなこと

言わないで。


ヤキモチ妬いてくれたのかなとか、

自分の都合のいいように

考えちゃうじゃん。



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