倫也さん。

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「ははっ、Aちゃん大丈夫？」


『…大丈夫、じゃないです』



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結局、色んな角度からの撮影。

私のNG。などなどで、何回もキスシーンを

撮った。


こんなに撮ると思ってなかったから

完全にキャパオーバー。



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「A、僕の時こんな顔赤くしてなかった…」


「そうなの？」


『いや…、ぇ、まっけん、そんな事は』


「僕とのキスはもう慣れちゃった？」


『慣れるわけないでしょ…！』



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慣れる慣れないとかじゃなくて、

これはもうほんとに私情で、

流石に"好きな人とだから"なんて…、

言えるわけないじゃん。



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『まっけんは、なんて言うのかな

耐性はついてきた…』


「僕はAとキスした時、嬉しかったし、

ドキドキしたよ」


『…なんでそういう事をしれっと』


「あ、照れた」


『ほんともう、まっけんやめて』


「なにが？本当の事だよ？」


『わかった、わかったから…』



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キョトンとした目で見てくるまっけん。

しれっとほんとにしれっと、

いつも通りのあの顔でそういう事言っちゃダメ。


不覚にもドキドキするから…！



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倫也さんは倫也さんで

にこにこしながら私とまっけんの

やり取り見てるし…。


私の味方いないじゃん。



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「何回かして思ったけど

キスする時のAちゃんの顔、可愛いよね」


『は、ぇ、何言って…』


「なんか、わかんないけどすげぇ可愛かった」


『…倫也さん、それ絶対ウソ』


「ふふっ、なんで嘘つく必要があるの」


「そうだよ、A可愛いよ」


『…まっけんまで！』



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なんだこれ…。

２人してにやにやして。

完全にからかわれてるじゃんか。


倫也さんなんか、いつもの何考えてるか

わからない顔で言ってくるから
本当なのかウソなのかわからない…。


ていうか、そもそもキスする時の顔なんか

見てるもんなの…？

普通に恥ずかしいんだけど…。



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