倫也さん。

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「はい、山下一真から多崎遼に変身」


『あぁ山下先生が…』


「多崎は嫌い？」


『ぜんっぜん！むしろ大好きです！！』



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どちらかと言うと、遼くんは普段の倫也さんに

似ている役柄で演技なのか本当なのか

わからなくなる時があり、


つい、素に戻ってドキドキしちゃって

何回かNGを出しちゃう。



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「ははっ、ありがと

俺も優ちゃん好きだよ」


『遼くんも、それを素直に言ってくれたらな〜』


「まぁ、気長に待っててくださいな」



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ドラマでは、簡単に言うと遼くんに想いを寄せる
優ちゃん。

そんな優ちゃんに想いを寄せる

まっけん演じる晄くん。てな感じの相関図。



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まっけんの演じる晄くんも普段のまっけんに

近くて、ドラマだけど時たま


まっけん本人に、想いを寄せられてる感覚になる。



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『山下先生はかっこ良いけど、

遼くんは、可愛い感じが強いですよね』


「んー…、前髪のせい？」


『前髪下ろしてる倫也さんは若く見える』


「３２歳も十分若いわ」


『ふふっ、冗談ですって』


「橘さん、中村さん、そろそろスタンバイお願いします」


『はーい！』


「優ちゃんとのキスシーン頑張っちゃお」


『ちょっと！それ言わないでください！！』



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すっかり忘れてた…！

今日、倫也さんというか遼くんとのキスシーン。


意識しちゃうと絶対あがっちゃうから

ギリギリまで考えないようにしようって、
はるちゃんと話してたのに…。



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「なんで？まっけんともしてたじゃん？」


『いや、まっけんは…何回かしてるから』


「あ、そっか。俺とは初めてか」


『…そうです。だから緊張するの』


「大丈夫大丈夫、不意打ちって感じだから」


『不意打ちだけど…！』


「Aちゃんは自然体で良いよ。

俺からいくんだから」



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いや、それが問題…。

どっちかって言うと私からいったほうが

なんて言うんだろ、覚悟みたいな？
そういう準備が出来るんだけど、

倫也さんからってのは色々と、ね…？


完全に私情だけども。



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『え、も、ほんと…』


「まぁまぁ、どうにかなるって」



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そう言って、一人でぶつぶつ言ってる

私の手を引いてスタンバイ位置に

連れてかれる。


もうこれは、完全に優ちゃんを演じきるしかない。

今までだって、キスシーンやってきたんだから

きっと大丈夫…。



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