○ ページ12
.
「あの、センラ先輩……。志麻先輩、大丈夫ですか？」
「体調悪いんですか？」
「あっ！私、薬持ってますよ！どうぞ！」
なんて優しい後輩達……。
私とセンラが感動を覚えていると薬を差し出された当の本人は、その子を睨みつけた。そして、ただ一言。
志麻「いらん、どっか行けや」
「………ぇっ…」
『(あちゃーーーーーーーー)』
鋭い言葉に、その場にいた1年生全員が固まる。
その背後で頭をかかえる私とセンラ。すぐさまアイコンタクトが始まる。
セン「(志麻くん……やってくれたな)」
『(もしかして私、弄りすぎた？機嫌悪くしちゃった？)』
セン「(いやぁ、いつも通りやろ……去年もそうやったやん。俺も睨まれたもん)」
『(だよねぇ)』
そう、去年の志麻くんは私以外の1年生にガンを飛ばしまくっていのだ。それはセンラや坂田、まふも例外ではなかった。
というのも、彼は自分のテリトリーに他人が侵入してくるのを酷く嫌っている。特に女子。私は従兄妹だから平気だったらしい。
そんな理由から志麻くんを怖がる女子が続出し、放送部に入部する子は必然と男子ばかりになる。そもそも、入ろうとする生徒が圧倒的に少ないのだけれど。
『(でも志麻くん、顔がいいからなぁ)』
「え、えっと、」
志麻「………、」
気まずくなった空気をどうにかするため、1年生が志麻くんに話しかけようと試みる。しかし、志麻くんはそっぽを向いて黙ったままだ。
「…志麻先輩、あの……」
志麻「チッ、煩いねん。お前に先輩なんて呼ばれる筋合いない＿＿」
『わぁーーーーーーーーーー！！！！！！！！！！！』
また志麻くんがとても失礼なことを言いそうになったので、慌てて大声でそれをかき消した。
1年生だけでなく、志麻くんも驚いている隙にセンラが彼女達に早口で退散を促す。
セン「ごっ、ごめんなぁ！？志麻くん、あれ、今、あの……せ、生理やから！！生理やから機嫌悪いねん！！君らの心遣いはすんごく嬉しかった思うで！？でも、生理中やから！！！！」
冷静に考えると有り得ない、なんとも意味のわからない理由を言い訳に後輩の背中を押して退室していった。
『本当にごめんねぇぇ！！！！！』
私も大声で謝り、扉が完全に閉じたのを確認してから志麻くんに向き直った。
『……さて、志麻くん？』
志麻「ひぃｯ……A………」
私から滲み出る怒りのオーラに怯えているが、可哀想だなんて思う余地は一切ない。
『そこに正座しなさい！！！！！！！！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソテツ(プロフ) - Tomoさん» ありがとうございます！ (2023年3月7日 20時) (
レス) id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(プロフ) - ソテツさん» リクエストありがとうございます！引き受けさせていただきます。全て書きたいと思っているので少し時間がかかりますが、よろしくお願い致します。 (2023年3月7日 8時) (レス) id: 5362173615 (このIDを非表示/違反報告)
ソテツ(プロフ) - Tomoさん» 初めまして、リク失礼します！ ・普段の授業風景 ・夢主ちゃん以外の3，4人で夢主ちゃん語り ・smさんといとこならでは（？）の話（ラジオ外、内問わず） 出来たらでいいのでお願いします！！ (2023年3月6日 21時) (レス) @page17 id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
菜月と水餅 - Tomoさん» 引き受けてくださったりありがとうございます！応援させていただきます！ (2023年1月2日 10時) (レス) @page8 id: 0091914830 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(プロフ) - 菜月と水餅さん» コメントありがとうございます！嬉しい限りです！また、リクエストも引き受けさせていただきます。これから応援よろしくお願いします。 (2023年1月1日 20時) (レス) id: 5362173615 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Tomo | 作成日時：2022年12月31日 17時
