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渋々、といった様子で青い髪の彼が頷く。
少女はそれを確認した後、また別の名前を呼んだ。
“＿＿まふまふ”
“はい、お嬢様”
2人目の登場には驚かなかった。
“屋敷に帰ったら、一番に湯浴みの準備をしなさい。お前が私のコートを脱がすよりも先よ”
“かしこまりました”
慣れた口調で指示を飛ばした少女が、俺のそばに膝を着いた。綺麗なスカートが雪に混じった泥で汚れることも、冷たいタイルに触れることも厭わずに。
その背後では、執事らしき人達が何か言いたげな顔をしていた。
“…独りぼっちは寂しいもの”
優しい微笑みを称えながら、痩せこけた俺の頬をそっと両手で包み込んだ。
“貴方も、私と同じね”
頬の温もりに安心を覚えながら、同時に疑問を抱いていた。
この人の後ろには執事が控えている。それに、主人の命令に忠順で頭も良さそうだ。きっと、屋敷にも同じような人達がたくさんいるに違いない。
なのに、どうして「同じ独りぼっち」なのだろう。
“お嬢様、そろそろ……”
“そうね、行きましょう。さぁ、お前も”
“…は、はい…………”
こうして、俺はテレジア家の執事となった。
でも、あの時の言葉の意味は未だに分からない。
＊＊＊
『ちょっと、センラ！サラダにニンジンが入ってるわよ！私のには入れないでって言ったでしょう！』
そらる「A様、好き嫌いなく食べないと立派なレディになれませんよ」
『お前には言ってないわ！センラ、聞いてるの！？』
屋敷の人間全員で囲むディナー。嫌いな人参がサラダに入っていたと、お嬢様が憤慨なさっている。
もちろん、彼女の好き嫌いは把握しているつもりだが、そらるさんの指示でニンジン多めのサラダを作らせてもらった。
センラ「もうすぐ舞踏会ですので、お肌が綺麗になるようにと思ったのですが」
文句言われたらこう返しとけばいいよ。と彼が教えてくれた言葉を反芻する。
『もう十分綺麗よ！』
どうやら、かなりの自信をお持ちのようだ。
坂田「でも、A様ってスープの人参は食べますよね」
『スープのニンジンとサラダのニンジンは別なの！坂田だって、生玉ねぎ食べないでしょう！』
坂田「う、ホンマや」
スープの人参が食べれるんなら、サラダも同じやろ。という坂田論も、意味のわからない理屈で跳ね返されていた。
どうしたものかと考えていると、お嬢様が志麻くんをターゲットにしていた。
『志麻ぁ、私のニンジン食べて？』
志麻「もちろんです！」
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Tomo(プロフ) - 月音さん» ありがとうございます！何か抱えてそうな雰囲気を感じ取ってもらえて嬉しいです〜！ (2022年4月24日 21時) (
レス) id: 90d619c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
月音 - はぅ！めちゃくちゃ好み!ワガガマ具合とか、そんでもって、絶対何かを抱えてそうな雰囲気とか大好きです!更新楽しみに待ってますね!頑張ってください! (2022年4月24日 7時) (レス) @page17 id: 92b5bfb4f2 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまさん - コメント返してくれてありがとうございます！出掛けてたからコメント返してくれてたの気づきませんでしたwすみません！これからも頑張ってください！ (2022年3月13日 16時) (レス) @page12 id: f9785f1ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(プロフ) - しらたまさんさん» ありがとうございます！ (2022年3月13日 13時) (レス) id: 90d619c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまさん - とっても面白いです！『志麻のことぶっちゃったぁ』ってうらたさんに泣きついているのがとっても可愛らしくて好きですwこれからも体調に気をつけて頑張ってください！ (2022年3月13日 0時) (レス) @page12 id: f9785f1ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tomo | 作成日時：2022年1月14日 20時
