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ふと、疑問が生まれたのでA様に尋ねてみた。
まふ「今の先生は解雇にするとしまして。レッスンはどうなさいますか？新しい方をお探しいたしましょうか」
『そうねぇ……』
うーん。と顎に手を添えて考え込むお嬢様。
やがて、じっとボクの顔を見つめ始めた。
まふ「？」
意図が分からないまま見つめ返すと、A様が『決めたわ』と口角をあげた。
この笑顔はよく知っている。
何か、ろくでもないことを言い出す時の顔だ。
そう思って身構えていると、お嬢様が立ち上がってビシィッと効果音が付きそうな勢いでボクを指差した。
『まふまふ、今日からお前が私の教師となりなさい』
＊＊＊
まふ「…………ふぅ、」
パタン。と読んでいた本を閉じて元の場所へ戻した。その背には『猿でもわかる円舞曲の踊り方』と書いてある。
ここは、屋敷内にある図書館。お嬢様や旦那様の書斎とはまた別に作られた団欒スペースだ。
ボクのお気に入りの場所でもある。
そらる「どう？まふまふ、いいの見つかった？」
沢山ある本棚の間から顔を出したそらるさんが尋ねてくる。
まふ「んー、あるのはあるんですけど…」
そらる「イマイチ？」
まふ「そうですね。これを教えるとなると、少し足りないかもって感じです」
どれ読んだの？と隣まで歩いて来た彼に、先程片付けたばかりの本を取ってみせると、表紙を見て口元を綻ばせた。
そらる「へぇ、こんなのまで置いてるんだ」
まふ「確か、奥様とのワルツを練習したくて取り寄せたって旦那様が仰っていた気がします」
初心者向けのガイダンスを読んでいる旦那様を思い出す。頼りがいのある大きな背中を丸めながら、一生懸命に本を読み込むのだ。敬うべき己の主人に言うことではないが、その姿を可愛らしいと思ってしまった。
そらるさんも同じことを考えたのか、「そんなこともあったなぁ」と懐かしげに目を細めていた。
そらる「そういえば、お前って踊れるんじゃなかったっけ。旦那様の練習相手だったんでしょ？」
まふ「踊れないことはないですけど……ボクが出来るのは女性側の動きなんです」
男性側の動きは知らないんです。と素直に告白すると、そらるさんが嗤った。
そらる「あぁ、女の子になりたいって言ってたもんね」
まふ「それとこれとは違います！奥様の代わりをしていたんです！」
そらる「わかってるって」
完全に面白がっている彼を見て、ふと思い出した。
そらるさんって奥様の練習相手をしていたような…？
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Tomo(プロフ) - 月音さん» ありがとうございます！何か抱えてそうな雰囲気を感じ取ってもらえて嬉しいです〜！ (2022年4月24日 21時) (
レス) id: 90d619c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
月音 - はぅ！めちゃくちゃ好み!ワガガマ具合とか、そんでもって、絶対何かを抱えてそうな雰囲気とか大好きです!更新楽しみに待ってますね!頑張ってください! (2022年4月24日 7時) (レス) @page17 id: 92b5bfb4f2 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまさん - コメント返してくれてありがとうございます！出掛けてたからコメント返してくれてたの気づきませんでしたwすみません！これからも頑張ってください！ (2022年3月13日 16時) (レス) @page12 id: f9785f1ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(プロフ) - しらたまさんさん» ありがとうございます！ (2022年3月13日 13時) (レス) id: 90d619c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまさん - とっても面白いです！『志麻のことぶっちゃったぁ』ってうらたさんに泣きついているのがとっても可愛らしくて好きですwこれからも体調に気をつけて頑張ってください！ (2022年3月13日 0時) (レス) @page12 id: f9785f1ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tomo | 作成日時：2022年1月14日 20時
