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そらる「どうされますか、お嬢様。御出席になりますか？」
『もちろん！行くって返事しといて』
そらる「かしこまりました。では、ダンスレッスンも始めなければなりませんね」
『ダンスレッスン？』
A様がそらるさんを見上げる。
そらる「舞踏会に参加されるのでしたら、必須事項だと思うのですが……もしかしてA様、踊れるのですか？」
『なっ、ば、バカにしないでよっ！別に、私だって……』
お嬢様が取り繕うように大袈裟に腕を組んだ。自信満々のポーズだが、じんわりと汗が浮いているし、目は泳いでいる。
その様子を見て、ひとつの仮説に落ち着いた。
あぁ、踊れないのか。この人。
そういえば、彼女が踊っているところは愚か、ステップを踏んでいるところでさえ見たことがない。
そらる「私だって？」
そらるさんもそれを分かっていたのか、意地悪な顔でA様を覗き込んでいる。
『わ、私だって…………うぅ』
徐々に涙目になっていくのが面白い。
お嬢様が助けを求めるようにボクの方を見つめてきたので、仕方なく、本当に仕方なく＿＿そらるさんに助け舟を出してあげることにした。
まふ「もう、そらるさん。テレジア家の次期当主であるお方がワルツひとつも踊れないなんて話、ある訳が無いじゃないですか」
『ぇっ、えっ、まふまふ？』
まさか敵に回ってしまうとは思っていなかったのか、A様が非常に驚いたような声を上げる。
『そら、そらる……』
そらる「それもそっか。…お嬢様、大変失礼いたしました。ダンスレッスンは必要ないという事で、教師の方にも断りを入れておきますね」
腕に縋り付いてきた彼女を無視して、そらるさんが退室しようと身を翻した。それをA様が慌てて止める。
『ちょ、ちょっと待ちなさい！』
そらる「どうしましたか、お嬢様」
『………ないわよ』
お嬢様が俯いて、小さな声で何か言っている。
そらる「すみません、もう一度お願いします」
『だから、踊れないわよ！！踊ったことないんだもん！』
羞恥からか、真っ赤になった顔を上げてA様が叫んだ。
……まんまと策に掛かっている。
彼女が扱いやすい人なのもあるが、何より、そらるさんの扱い方が本当に上手い。流石だ。
そらる「はい。では、家庭教師を手配しておきますね。失礼しました」
にっこりと滅多に見せない笑顔を浮かべて、そらるさんが退室した。
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Tomo(プロフ) - 月音さん» ありがとうございます！何か抱えてそうな雰囲気を感じ取ってもらえて嬉しいです〜！ (2022年4月24日 21時) (
レス) id: 90d619c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
月音 - はぅ！めちゃくちゃ好み!ワガガマ具合とか、そんでもって、絶対何かを抱えてそうな雰囲気とか大好きです!更新楽しみに待ってますね!頑張ってください! (2022年4月24日 7時) (レス) @page17 id: 92b5bfb4f2 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまさん - コメント返してくれてありがとうございます！出掛けてたからコメント返してくれてたの気づきませんでしたwすみません！これからも頑張ってください！ (2022年3月13日 16時) (レス) @page12 id: f9785f1ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(プロフ) - しらたまさんさん» ありがとうございます！ (2022年3月13日 13時) (レス) id: 90d619c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまさん - とっても面白いです！『志麻のことぶっちゃったぁ』ってうらたさんに泣きついているのがとっても可愛らしくて好きですwこれからも体調に気をつけて頑張ってください！ (2022年3月13日 0時) (レス) @page12 id: f9785f1ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tomo | 作成日時：2022年1月14日 20時
