第62話 ページ18
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ゾムとの試合が始まって早10分。
相手が相手なことでお互い決着を付けるような決定的な勝負を挑めずにいた。
「そろそろ探る勝負やめようや」
「じゃあやめようよ」
「よし、テンポ上げてこ？」
今までは距離取りつつ仕掛けたりしていたが、これだといつまで経っても決着がつかないためお互い打ち合いをすることに。
まず、先に仕掛けたのはゾム。
それに対抗するように距離を取らず受け流しをする。
そこでできた隙を見てこっちが攻撃側に周り、攻防を繰り返すに連れ、木剣を振る速度も上がっていく。
徐々に徐々に速度が上がっていき自分でさえ攻撃が見えない速さまで達していた。
それに伴い腕力も低下してきて、疲労のせいか上手く木剣をコントロールできない。
ゾムはというと、まだいける雰囲気を醸し出していて体力差をしみじみと実感した。
しかしここで勝手に止める訳にはいかない。
大勢の観客が見てる中、ここで引き下がったら馬鹿にされる風景が脳裏をよぎった。
全く見えない攻撃を感覚で読み、ゾムに食いつく勢いで木剣を振る。
そしてついに
ゾムの木剣が私の頬を掠めた。
一旦距離を取り、右頬の違和感を拭うと、その手の甲は鮮血に染まっていて少しジリジリする。ちっ…
傷を付けた当人は戦いに夢中で気づく気配は全くなく、ただ迫って来る。
「おいおい逃げんじゃねーよ！？」
横振りを焦って仰向けでかわしてしまい、私が体を起こすより先にゾムの攻撃が飛んでくる。
それで一か八か、木剣で攻撃を防ぐのをやめて手を下につけ、思いっきり足でゾムの腕を跳ね返す。
よし、倒れた。
と思った矢先、ゾムは瞬時に武器を手放した。
「あっ」
やばっ、と思った時にはもう遅い。
足首を捕まれて180度回転しそのまま場外へ投げ飛ばす。
何の抵抗も出来ずに場外の地面に転がり、試験終了の笛の音が響く。
歓声と共にゾムの勝利が決まった。
受け身だったので多少の打撲はあったが骨が折れたりなどはない……はず。
鉛のように重い体を歯を食いしばって起こし、急いで降りてくる勝者の肩を持つ。
「大丈夫かー！シンー！」
「てめぇよくもやってくれたな」
「いやぁ〜まさか場外までいくとは…w」
案外飛ぶんやな…とアホみたいなことを言うゾム。
私が思いっきり足に込めた力とゾムの腕力が合わさり場外に吹っ飛ぶ程のパワーになっていたみたいだ。
ゾムの瞬時の判断を称える気持ちもあるが、ここまでやらなくても良かったんじゃないかと怒る気持ちもあり変な感じだった。
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シロクマ苺スムージー(プロフ) - ほいさん» すみません確かにそうですよね…！でもこれから距離が縮まったら名前の方を呼ばれることの方が多くなるので期待してて下さいっ…！ (1月18日 6時) (
レス) @page39 id: 2e0196e099 (このIDを非表示/違反報告)
ほい - あの、申し訳ないんですが固定名が多くて、、もっと名前も使って欲しいです (1月17日 23時) (レス) id: 7356148585 (このIDを非表示/違反報告)
シロクマ苺スムージー(プロフ) - ピッピ168号さん» ありがとうございます！！わちゃわちゃした感じが皆好きだと思うので第３章でもたくさん入れていこうと思います！頑張ります…！ (12月30日 0時) (レス) id: 720823a63a (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - rb…キスはあかん…。そして夢主ちゃんを全力で守ろうとするutknぎゃわいいいいい(やかましいわ)zmも照れてるかわいいマジ無理すきぃっ！！！ていうか皆かわいい！好き！更新頑張ってください！ (9月2日 14時) (レス) @page23 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
シロクマ苺スムージー(プロフ) - とぷすさん» ありがとうございますっ！！こういう世界観を好きになって下さる方が多くてとても嬉しいです…！頑張ります！ (8月11日 0時) (レス) id: 720823a63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロクマ苺スムージー | 作成日時：2023年6月2日 23時
