3年前の喫煙ルーム ▼２【赤】

78.) 好きの理由 ページ29

『Aちゃん、好きやで』









私の顔を挟んでいた両手が離れて


今度は、そっと手を握られた







すばるくんの両手が

私の両手を包み込んでいる








それを、反射的に

ぱっと振り払ってしまった…









「そっ、それが……」


『ん？』


「それが、１番わかんないっ！！」









何で、私なの？

どこが？









考えて考えても、わかんないし

……………信じられない









両手を払われた瞬間

少しだけ悲しそうな顔をした、すばるくん









でもすぐに、また優しい顔をして









『そんなん、俺もわからへんわ』









と言って、笑った









『好きに、理由っているん？』


「え？」


『俺はAのことが好き』


「………っ、」


『それだけじゃ、アカンか？』









直球も直球、ド直球

自分の思いに正直で真っ直ぐな人









『俺を惚れさせた、お前が悪いねん』









…………また、拗ねてる





それに加えて

憎まれ口と上から発言もプラスされてるし









『俺のこと、信じられへん？』


「………え、」


『何回、好きやって言ったら信じてくれる？』









…………いや、何回って



回数の問題ではないでしょ、これは









『………まあでも、もうええねん』


「え？」


『お前が俺のことどう思ってるかとか、

俺か関ジャニ∞やからとか



もう、そんなん………どうでもええわ』









あ、何かさっきも

" もう、どっちでもええわ " って言ってたな









『俺のこと信じてくれるまで、

お前が降参するまで


いやほど、一緒におったんねん』









余裕たっぷりの表情で









" 覚悟しとけ "









と、言われた





.

79.) 心臓→←77.) 可愛い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す