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「…っ!」
駐車場で
久しぶりに感じたその気配に
反射的に身を引き、拳銃を構えた。
「Hi, Bourbon.
先程まで誰もいなかった
けれど、いつの間にか僕の愛車にもたれかかっていた、そのブロンドの髪を持つ女は
公安はじめ、FBIやCIA、MI6などの捜査機関が血眼になって探しているにも関わらず、未だ逃亡中と見られていた…
「ベルモット…!」
僕が
…つまり、僕の身元はもう割れているわけか。
セーフティの外れた拳銃
トリガーに置いた人差し指に、思わず力が入る…
「Wow! ちょっと!その歓迎の仕方は戴けないわ!
そんなに警戒しなくても、こっちは丸腰よ?
早いとこその物騒なものをしまってちょうだい」
ベルモットのおどけるような仕草を無視して、
注意深くその身なりを目視で探る。
つばの大きいストローハットを被ってサングラスを掛けてはいるものの、変装は無し。
…この状態で街を練り歩いて来たというのは非現実的な気もするが、目の前の女ならやりかねないな。
拳銃や武器を取り出しやすいため、真っ先に警戒すべきカバンの類は特に持っていないようだ。
グレーのマキシワンピースはふんわりとしていて、シルエットが分からないが…
脚にホルスターをつけていたとしても、あの丈の長さなら、
一瞬で拳銃を抜き取って構えることは難しいだろう。
いっそう、疑惑が深まる。
…この女は何をしに来た?
まさか、あのベルモットが、大人しく捕まりに来たとでも言うのか…?
「ね?敵意はないわ…分かってくれた?」
俺の考えを読み取りでもしたのか、ベルモットはフッと口角を上げて、言葉を投げかける。
「目的は?」
拳銃を下ろす気配のない僕に、
「仕方ないわね…」と諦めたようなため息をついて、女は口を開いた。
「
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作者名:とみーさん | 作成日時:2020年9月4日 2時