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＿”有り得ない
死んだ人間が
来れるわけがない”
横目に見た
ぎこちなく笑う高校生探偵の表情には、明確な否定と曖昧な疑心が同居していた。
名探偵の予想通りというべきか、
やはり、少年探偵団はみな一様に首を横に振る。
「それがね、最近ぜーんぜん来てくれないの！」
「最後に会ったの、バレンタインのちょっと後だったぜ！俺たちにチョコレートくれてよォ」
「僕たち、ホワイトデーにそのお返しを渡そうと思って…」
「サラさん、動物が好きだって言ってたからね
歩美たちと、哀ちゃんと、コナンくんとで、お小遣い出し合って
みんなでうさぎさんのキーホルダー買ったんだよ」
少女がランドセルから取り出したピンクの小さな紙袋が、視界の端に見えた。
「そう…」と、しょんぼりとする子供たちに釣られて、蘭さんも声のトーンを落とす。
「忙しいんでしょうか？」
「事件に巻き込まれたりしてねーよな！？」
今にも掴みかかりそうな勢いの少年たちを
「事件に巻き込まれたなんて話は聞かねぇから、忙しいんだよ、きっと！な！」
と、新一くんが落ち着ける。
「でも……
…安室さんは？何か知らない？
サラさんの彼氏さんだよね？」
その言葉に、少し肩がはねた。
……まあ、この話題になった時点で覚悟してはいたけれど。
持っていたタンブラーを置いて、流水を止めて、
ニコリと笑って顧みた。
「そうですね…
今は忙しそうにしていて、
僕もなかなか連絡が取れていないんですよ」
「でも、元気にしていますよ」という言葉に安心したのか、少年探偵団と蘭さんは顔色を明るくして各々飲み物の方に向き直って談笑を再開した。
「そういえば歩美ね、昨日志保さんとビデオ通話したんだー！」
「えー！いいなぁ、ずりぃーぞ歩美だけ！」
「志保さんって、今アメリカの超有名大学の学生さんなんですよね！！」
「へぇ…あ、新一！実はね、昨日の夕方にイギリスの世良さんから電話がかかって来たんだけど…
この前新一が解決した強盗事件の話をしたら、羨ましがってたよ
『いいなぁ、ボクもその事件解きたかったー！』って！ね、
……新一？」
「…え、…ああ、世良も元気そうで何よりだな！」
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作者名：とみーさん | 作成日時：2020年9月4日 2時
