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「…ああ、暮れには本庁に戻る。
……構わないさ、もう用済みだからな。じゃあ」
通話終了ボタンを押して、小さく、けれども重い溜息を吐いた。
リビングのテーブルに置かれたデジタル時計の液晶を見やる。
4:57
外はまだ暗いが、あと20分も経たないうちにきっと曙色に衣替えする。
今日は夕方からまた雨予報…本庁から帰ったらもう深夜だろうし、今からMAISON MOKUBAの方へ戻ってもしハロが起きていたら朝のうちに散歩に行こう。
今から眠る気になど、到底なれないし。
また息を吐いて、蜂蜜色の髪をふっとかき上げる。
__これで2徹目。
といってもここ数年、十分な睡眠とは一切無縁な生活を送ってきたのだ。これくらいもう慣れてしまった。
何より、先程の通話相手の方は軽く見積って今日で3徹目と見た。
まぁ、予想が当たっていようと外れていようと、この時間に掛けてワンコールで出るということは…そういう事なのだろう。
「……さて、今日はここまでにするか」
独り言を零して、マリンブルーの双眼が辺りを見渡した。
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作者名:とみーさん | 作成日時:2020年9月4日 2時