ば(れー)かっぷる日常録【赤葦京治】

修学旅行 ページ41

金目side

5月中旬。
中間テストが終わり関東大会…の前に、2年生は2泊3日の修学旅行。
朝から飛行機で北海道まで飛び、空港で札幌ラーメンを食し、小樽市内を観光。

因みに席順そのままで班を組んだから赤葦と伊丹くんも一緒。
クラスのイケメンを2人も掻っ攫ってしまって罪悪感半端ない。

｢3時にあの広場に戻ればいいんだよなー？｣

｢いえす！でさ、お店結構あるけどどこ行くよ？ゆかちゃん、行きたいとこある？？｣

先生は行く前にある程度見たい店決めとけって言ってたけど、私と伊丹くんは完全無計画。

女子なら買いたいものの一つや二つや三つ出てくるだろうと思い(お前も女子だろって反論は受け付けません。)、もう1人の班員に聞くも首を横に振られた。

どうしよう、赤葦とか一番物欲なさそうだしなぁ。
とは思いつつ一応行きたい店の有無を聞いてみた。

｢あー…あのさ、ここら辺にオルゴール屋さんあるはずなんだけど｣

え、行きたいところあるんだ。意外。
しかもオルゴール…

｢女子かっ！｣

｢男子だけど｣

｢…あ！分かった！Aだな！？Aが欲しがってるのか！｣

｢お前ら〜やっぱり北海道に来てもイチャイチャするのかぁー！明日会えるもんな！｣

｢はいはい…金目、地図見て案内して。地図係だろ｣

はっきりとは答えてくれなかったが、否定しないってことは絶対ビンゴ。
伊丹くんとゆかちゃんはキャーとか言って赤葦を煽るが、相変わらずのポーカーフェイス。

仕方ないなぁ〜と思いつつ地図を見て案内すると、大きくて洋風な建物にたどり着く。

中に入るといろんなオルゴールが置いてある。
しかもとてもおしゃれだから、私もお土産に一個…なんて思ってしまう。

嵐ファンのゆかちゃんは嵐の曲のオルゴールを見つけてはしゃいでいたし、伊丹くんは姉ちゃんに買って行く！と色々物色している。

衝動買いしそうになった私はゆかちゃんと共に外で2人が出てくるのを待った。

｢お待たせ！｣と先に出てきたのは伊丹くん。

｢あれ？買わなかったの？｣

｢買った！で、発送サービスあるって言われて、家まで送ってもらうことにした！｣

おお、そりゃ便利だ。

暫く待っていると赤葦が小走りで出てくる。

｢ごめん、遅くなった。｣

その右手には可愛らしい紙袋がしっかり握られていたのだった。








”発送サービス使わないってことは…やっぱりAだなぁ？”

”金目、ニヤニヤしてるとこ悪いけど後5分で広場つかないと怒られる”

”はぁ！？”

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