インハイ予選 ページ49
碧波side
6月、インハイ予選開幕
梟谷はベスト8枠で1日目は免除。
2日目も危なげなく勝ち抜き
男女共3日目、駒沢体育館で行われる代表決定戦に残っていた。
『おおー!ねね、今日の晩御飯お肉だって!ちょっといいやつ!!』
「はいはい〜、分かったから早くアップとって」
家族ラインをみて騒いでいるAをいなすも、ハイテンションは変わらず。
つい数週間前のアレはどこへやら。
隣で見守る我らが副キャプ・由良も思わず苦笑。
「すっかり元どおりだね〜」
『はい!やっぱり人間元気が一番ですからねぇ』
そう言って今度はルンルンで六花に絡みに行く。
いや、だから早くアップを取りなさいってば。
「やー、でも何とかなるもんだね。
一時期どうなるかと思ったけど」
ポツリと溢れたような由良の言葉に、思わず深く頷いた。
ほんの数週間前
Aが練習で異常に気を張るようになって、しかも頑なに理由を話してくれないから私も由良も大いに焦った。
結局どうなったのかと言うと、六花経由で話を聞いた赤葦くんに諭されたAがある日の練習前、レギュラーの面々を招集して
『サーブコース甘い、ブロックコミットで飛びぎみ、後半レシーブ1歩目が遅い!
後一週間ちょっとで直すぞー!!』
と声を張り上げて一喝。唐突に。
みんなキョトンとしたのはいうまでもない。
それでも言ってることは的を射ていたし、みんなAの気持ちを汲み取っていたからこそ「何で今言うんだ」と彼女を糾弾することはなかった。
寧ろ私としては不甲斐なかった。
細かいことだし言いづらいことだけれど、気づいて言うべきはキャプテンの私だったのに。
それをAに抱え込ませてしまったから。
因みにその後、パッタリと元に戻ったAは何事もなかったかのように、楽しそうにボールを触っていて
狐につままれたみたいな気分になったのは私だけじゃないはず。
「それにしても本当、赤葦くんには頭上がらない」
「うんうん。どうしよう、謝礼金は焼肉でいいです、みたいにたかられたら…!」
『ゆっちーさん、赤葦そんなキャラじゃないです』
「おわっ!どっから湧いた!?…流石、カレシのことになると反応早いんだなぁ」
「A…?アップは…?」
『ひぃっ!!さく怖い!!!』
そそくさとアップを始めたAを見て一安心。
兄同様手のかかる子だけど、試合になると一番頼りになるんだから不思議。
”今日も頼んだよ、小さな司令塔さん”
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます!本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます! (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみーさん | 作成日時:2019年8月20日 12時